今回は、ムーラン実写炎上・批判はなぜ?ムーシューやシャン隊長がいない・歌なしだけじゃないと題してお届けします。
2020年に配信された実写映画『ムーラン』。
アニメ版『ムーラン』は、「リフレクション」を含め歌が最高だったり、ムーシューという小さい龍が登場して支えてくれたりと、面白いですよね!
しかし!
実写版『ムーラン』はムーシューやシャン隊長といった人気キャラが登場しないだけでなく、歌もなしで全体的に暗〜い雰囲気(^_^;)
「こんなのディズニーじゃない!」と思った方も少なくないのではないでしょうか?(^_^;)
本記事では、ムーラン実写炎上・批判はなぜ?ムーシューやシャン隊長がいない・歌なしだけじゃないと題して詳しくご紹介していきます。
- 実写版『ムーラン』が炎上した理由
- 監督・ディズニーが炎上の該当部分を演出した意図
ぜひ、最後までお付き合いください(*^^*)
実写『ムーラン』はDisney+ (ディズニープラス)で独占配信!
月額990円(税込)で、ディズニー、ピクサー、スターウォーズ、マーベルなども見られ、大人も子どもも楽しめます♡
ムーランが登場する、
- アニメ版『ムーラン』
- アニメ版『ムーラン2』
- 『ワンス・アポン・ア・タイム』(公式の壮大な2次創作みたいな感じ!)
なども見られますよ♪
年間プラン(9,900円)だと2ヶ月分もお得に!!
私のオススメは『ワンス・アポン・ア・タイム』!
ムーラン役の女優さんの顔がめっちゃ可愛くて、この人に実写やってほしかったって思ったくらい♡
ムーラン実写炎上・批判はなぜ?ムーシューやシャン隊長がいない・歌なしだけじゃない
実写版『ムーラン』の父さんは習大大と似てる?
本当だ草ムーシューとクリキーなど馴染みのキャラが削除
一部の国は上映されずに配信が始まることで宣伝に注力した映画館が怒った問題
主人公の俳優は香港警察の行為を支持発言で炎上色々問題があったな pic.twitter.com/PVc5IoFZ0B
— 黒詩★紅月♥日本 (@kuroutaakatsuki) September 7, 2020
実写版『ムーラン』が炎上したり、批判を受けたりしているのはなぜなのでしょうか?(><)
- 炎上した理由
- 制作側の意図
をご紹介していきます。
中国の政治などに関する問題も出てきますが、噛み砕いて分かりやすく解説いたしますので、参考にしてみてください。
①ヒロインがデモを残虐行為で弾圧する香港警察を支持
【炎上理由】
香港で逃亡犯条例改正案に反対するデモが激化する中、ヒロインのリウ・イーフェイが、残虐行為でデモを鎮圧する香港警察を支持する発言をしたため
※下記で分かりやすく解説
【制作側の意図】
制作側にとっては青天の霹靂で、リウ・イーフェイの独断
【世間の反応】
映画『ムーラン』を観るのは止めようという、「#BoycottMulan(ムーランをボイコットしよう)」のハッシュタグがトレンド入り
「2019年逃亡犯条例改正案に反対するデモ」について、実写『ムーラン』でムーランを演じたリウ・イーファイさんは、ご自身のSNS・ウェイボー(中国のSNS)で、
「香港警察を支持する。皆で私を批判しても構わない。香港にとって残念なことだ」
と、投稿しました。
【2019年逃亡犯条例改正案とは?】
容疑者の身柄引き渡し手続きを簡単にする法案。
香港が引き渡し協定を結んでいない中国や台湾にも、容疑者の身柄を引き渡しできるようにするもの。
※以前、引き渡し協定のない国で事件を起こした犯人が、逮捕前に香港に逃亡し、引き渡せなかったため
【2019年逃亡犯条例改正案に反対するデモとは?】
2019年逃亡犯条例改正案で、
一国二制度(中国の一部である香港は、独自の法律が適用されている)が揺らぐのでは?
香港市民が、中国当局の取り締まり対象になるのでは?
香港の活動家が、中国へ引き渡されるのでは?
という恐れから、2019年3月に反対運動が勃発
↓
最大約200万人(香港市民の4人に1人以上)がデモに参加
↓
香港警察はデモを鎮圧するため、
- 残虐行為
- 実弾を発砲
- 不法逮捕
を行ったと言われている
※実際、デモで少なくとも12人が死亡、8,001人が逮捕された
↓
10月に逃亡犯条例改正案は正式撤回された
香港の自由と民主化を願う声が各国で上がる中、リウ・イーファイさんは、鎮圧するためとはいえ香港市民に残虐行為をしている香港警察を「支持する」と発言したわけです。
香港の民主化活動家がボイコット運動を呼びかけ、「#BoycottMulan(ムーランをボイコットしよう)」がアメリカや香港、台湾、タイでトレンド入りするほどでした。
ウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホルン会長(当時)は、リウ・イーファイさんの発言について、
ディズニーにとっては青天の霹靂
政治と関わることは望んでいない。(ディズニーが)政治的な論争に引きずり込まれるのは、私にいわせれば、フェアではない。私たちは政治家ではないのだから
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/376536?page=4
と話しています。
ディズニーから指導を受けたのか、リウ・イーファイさんはその後の取材で、「私は専門家ではありません」「とてもデリケートな状況だと思います」と曖昧な返答をしていました。
政治のことは分かりませんが、確かに専門家ではないのに安易に発言するのは、軽率な行為だったのではないかと思います。
一方、中国外務省は「彼女は現代のムーランだ。真の中国人民の優れた娘だ」と支持しました。
リウ・イーフェイさんの両親は中国人で、自身も中国出身ではあるものの、国籍はアメリカであるため「真の中国人民」という発言に対し、中国から批判が出たそうです。
②少数民族を迫害している地区でロケ
【炎上理由】
イスラム教徒に対する人権侵害などが指摘されている新疆ウイグル自治区で撮影
&
エンドロールで感謝のメッセージが流れたため
※下記で分かりやすく解説
【制作側の意図】
現地の風景や、地形の一部を正確に描写するため
【世間の反応】
ウイグル族虐殺の研究をしているドイツの人類学者、エイドリアン・ゼンツ氏は「強制収容所の影で利益を上げる国際企業」と批判etc
実写『ムーラン』の一部は、中国の新疆ウイグル自治区で撮影され、エンドロールでは
「新疆自治政府の治安機関に謝意を表明している」
「China Special Thanks(チャイナスペシャルサンクス)」として、
- 中国共産党新疆ウイグル自治区宣伝部
- 中国共産党トルファン市宣伝部
- トルファン市公安局
といったテキストが流れました。
【新疆ウイグル自治区とは?】
中国の北西部にある自治区。
イスラム教の少数民族・ウイグル人の少なくとも100万人が、こちらの強制収容所「新疆ウイグル再教育収容所」に入れられていると言われている。
【宣伝部とは?】
新疆ウイグル自治区で、中国のプロパガンダ政策を任されている部署。
※「プロパガンダ」とは、特定の思想へ誘導する行為、心理戦。
ネットのコメント欄や掲示板で、中国共産党政権に有利な書き込みをするetc.
強制収容所の建設や、施設内の警備員の雇用も行っている。
【公安局とは?】
ウイグル人の再教育(非人道的な方法で、身も心も中国人に生まれ変わるようにする教育)を行っている部署。
つまり、ウイグル人を非人道的に中国人にしようとしている強制収容施設がある地区で撮影をし、「スペシャルサンクス」と書いてしまったわけです。
新疆ウイグル再教育収容所ができたのは2014年ですが、当初は存在を否定しており、2017年頃から問題視され始めました。
そして、2018年5月に「少なくとも100万人、おそらく300万人の市民が強制収容所に勾留されていること」が明らかになりました。
実写『ムーラン』の撮影が行われたのは2018年8月〜11月なので、ロケ地を決める段階では問題を把握できていなかった可能性はあります。
しかし、新疆ウイグル自治区の現状が2018年5月には発表されていたため、ロケ地を考え直した方が賢明だったのではないでしょうか?
新疆ウイグル自治区で撮影された風景は、約1分間の背景映像として使われただけということなので、公開された2020年までにその部分だけ撮影し直すこともできたはずです。
制作側は、
スタジオ幹部は問題のクレジットを事前に確認しておらず、同地域で撮影した映像がトラブルの種になりうると指摘する制作関係者もいなかった。
今回の失態について聞かれたディズニーのクリスティン・マッカーシーCFOは、撮影を許可した政府機関に対する謝辞をエンドロールに載せるのはハリウッドでは一般的な慣行になっていると述べた。
「この歴史ドラマで(中国の)独特な風景や地理を正確に描写するために」中国で風景撮影を行った
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/376536
ということです。
ディズニーほどの技術があればCGで風景背景を作ることもできたと思いますが、リアルを求めて現地で撮影した結果、炎上する事態となってしまいました。
③アニメの人気キャラが登場しない
ムーランの実写版には
ムーシュー、クリキー、シャンは出ません pic.twitter.com/cI4iGm7Fey— まおんぐ🐞スカポンタヌキ (@TENPARIST_EX) July 7, 2019
【批判理由】
アニメ版に登場した人気キャラ、
- ムーシュー(小さな赤い守護竜)
- クリキー(幸運のコオロギ)
- リー・シャン隊長(ムーランと惹かれ合った隊長)
が登場しない
【制作側の意図】
ムーシュー→現実的な道のりを描きたかったから。(おそらくクリキーも同じ理由)
シャン隊長→「#MeToo」運動が活発なため、セクシーな隊長や司令官が恋の相手になるのは適切ではないと思ったから。
【世間の反応】
実写ムーランはムーシューもクリキーも出ないらしいし実写アラジンと同じくらい期待してない…やるならちゃんと原作準拠で実写化して😞
— あかり (@tsumu009) August 10, 2020
関係ないけど、実写ムーランのシャン隊長の削除理由が上司との恋愛云々って話聞いた時も「いやムーランの話ってそこメインじゃないやん……」って思ったな。なんかこういうのにケチ付ける人が一番差別?してるよな。何が多様性()やねん
— たか (@takars212) January 29, 2022
アニメ版『ムーラン』に登場するムーシューは、ムーランを助けてくれるお助けキャラで、『アラジン』でいうところのジーニーに近いですよね♪
ディズニーにしては硬めな話で子どもにはとっつきにくそうな『ムーラン』を見やすく、そして明るくしてくれるキャラクターなので、私も大好きでした!
そのため実写『ムーラン』を見た時、「ムーシューはいつ出てくるの?いや、あの不死鳥がムーシュー代わりなのか?」と寂しく思ったのもです(^_^;)
実写『ムーラン』のニキ・カーロ監督は、
アニメ版ではムーシューがもたらしたユーモアと陽気さに私たちはとても刺激を受けましたよね。
でも今回の挑戦は、ムーランと兵士たちの本格的な人間関係を描くことでした。
アニメ版で愛されたムーシューはムーランの友人でしたが、実写版には彼女の旅路を現実的に表現するという目的があります
ですから、仲間の兵士たちとそうした人間関係を築く必要があったのです
引用:https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/mulan-live-action-mushu
と話しています。
物語をリアルにするために、ムーシュー(おそらくクリキーも)を外したというわけですね。
兵士の人間関係を知らない私は、「本格的な人間関係」うんぬんは分かりませんが、実写版のムーランを見て、「これはお助けキャラいらないな」とは思っていました(^_^;)
アニメ版のムーランは、ちょっとヤンチャだけど普通の女の子が、厳しい訓練を経て強くなっていく物語でした。
一方、実写版のムーランは、訓練を受ける前から結構強かったですよね(^_^;)
最初から結構強いので、お助けキャラ的なムーシューとクリキーを必要としないキャラクターなのかな〜と思っていました。
そして、ムーランが配属された隊の隊長であり、ムーランと惹かれ合うムキムキのシャン隊長。
「男らしくて好き!」というファンも多いのではないでしょうか♪
そんなシャン隊長について、実写『ムーラン』のプロデューサーであるジェイソン・リードさんは、
僕たちはリー・シャンを2つのキャラクターに分けたんだ。
一人は司令官のタン(ドニー・イェン演)で、彼はムーランの代理父やメンター役。
もう一人は同僚のホンフイ(ヨソン・アン演)。
『#MeToo』運動が活発な現代で、セクシーな隊長や司令官が恋のお相手になるというのは適切ではないと思ったからです
引用:https://www.tvgroove.com/?p=32722
と話しています。
【#MeToo(ミートゥー)運動とは?】
セクハラや性的暴行の被害体験を告白・共有する時に使用するSNSのハッシュタグ。
「私も被害者です」という意味で用いられる。
確かに、ホンフイとはイイ感じ(というより、ホンフイの片想い的な感じ?)で描かれていて、シャン隊長を彷彿とさせますよね!
タン司令官も、ムーランに「ウチの娘の婿に・・・」的なことを言っていたりと、ムーランを認めている感じがして好きなキャラでした♪
「上司と部下の恋愛」というと、現代では「セクハラ」を連想させてしまう可能性もありますので、分けたのは賢明な判断だったのではないでしょうか?
シャン隊長については似た感じのキャラが登場するので物足りなさはありませんでしたが、私個人の意見としては、もう少しホンフイとの恋愛も見たかったな〜と思いました(><)
同僚との恋だったら、描いても問題ないはずだもんね
ホンフイ→ムーランの一方的感が強めに見えたから、ムーラン→ホンフイへの想いも描いてほしかったな〜
④謎の新キャラ
🦅───────────
ムーランの前に現れる
ミステリアスな魔女◤🔥シェンニャン🔥◢
────────────🦅皇帝の殺害を目論む敵対勢力の魔女。
💡能力
超人的な身体能力
他人の人格を乗っ取る
鳥に姿を変える強い魔力が原因で国を追われた過去を持つ⚡️#実写ムーラン pic.twitter.com/q1vFNAcnBq
— ディズニー・スタジオ (@disneystudiojp) July 24, 2020
【批判理由】
アニメ版に登場しない、
- シェンニャン(魔女)
- シウ(ムーランの妹)
- フェニックス(不死鳥)
といった謎の新キャラが登場する
【制作側の意図】
シェンニャン→ムーランと並行する物語を持つ、ムーランと同じくらい強い女性キャラクターを提供するため
シウ→?(息子がいない家族を強調するため?ムーランとの対比?)
フェニックス→女性の象徴
【世間の反応】
実写ムーラン、見ました。
ヒロインは美人さんだし、戦闘シーンも良かったんだけど…うーん😕
魔女のくだりとか、やたら出てくる不死鳥とか、いかにもディズニーっぽい演出がいらなかったなぁ。
そりゃディズニーなんですけどねw
明日海りおさんの吹き替え、良かったです‼️— ピロリーナ (@piroliena) December 14, 2020
「実写版ムーラン」
あまりにも最初からアニメ版と違ってびっくりした。妹と魔女は…必要だったのかもわからん…魔女の存在感がCM見て予想してたのより大分ない。同じ力をもって悪になったもの善になったもの…うーん…アニメの方が好きかな…。皇帝かめちゃ強かっこよかったのは良かった。— あさと🐚 (@afternoon_cat_m) October 10, 2021
魔女のシェンニャンは、アニメ版『ムーラン』のヴィラン、シャン・ユーが飼っているハヤブサに当たるキャラクターです。
シェンニャンは魔女という理由で国を追放され、ボーリー・カーンのもとで敵を攻撃していますが、仲間からも冷たい扱いを受けていますよね。
そんな魔女について、ニキ・カーロ監督は、
ムーランと並行する物語を持つ、ムーランと同じくらい強い女性キャラクターを提供するための選択でした。
色々な意味で、ムーランはもっとも新しいバージョンで描かれた強い女性の様相
引用:https://www.cinemacafe.net/article/2020/09/13/68971.html
と話しています。
確かにムーランと魔女は、
- 故郷に帰れない
- 男性たちと共に戦っている
といった共通点があり、「並行する物語を持つ、同じくらい強い女性キャラクター」と言えるでしょう。
製作陣は、「自分らしさ」や「自分の居場所を見つけること」というテーマに深みを持たせるため、ムーランと同じように居場所を失った魔女を登場させたそうです。
ムーランと魔女は共通点もありますが、2人が出会うまでは、
男性と偽り、「気(本当の力)」も見せないようにしていたが、仲間からは受け入れられていた
ムーラン→自分の姿・力を隠さず戦っているが、仲間からも冷たい扱いを受けている
魔女→といった違いがあります。
ムーランと魔女は似た者同士でありつつ、実際は「鏡」のような存在だったのではないでしょうか?
アニメ版では手当てを受ける過程で女性であることが発覚してしまいましたが、実写版では魔女と会った後に「気」を隠さず女性として戦っていました。
アニメ版の冒頭で歌っていた「リフレクション」では「水に映る〜」という歌詞があり、そこで本当の自分を見つめ直していましたよね!
実写『ムーラン』において、魔女が「自分を見つめ直す水」の役割をしていたのではないかと考えます!
魔女にとってもムーランは鏡だったと思います。
ムーランが本当の姿を見せた後、司令官は怒っていましたが、ムーランの忠告を聞き、ムーランに皇帝を守るよう任せていましたよね。
自分の居場所を見つけ、仲間から受け入れられているムーランを見て、魔女は自分を大切にしてくれないボーリー・カーンのために戦う必要はないと気づいたのではないでしょうか?
最初は「ポリコレに配慮して女性キャラ増やしたのかな?」と思っていましたが、ムーランの鏡(水)として必要な存在だったということですね!
アニメ版のムーランは一人っ子でしたが、原作では姉と弟がいたそうなので、
弟がいた場合、弟が戦に行くべきというツッコミが入りそう
原作に少しでも近づけるため
女の子ばかりで息子がいない家族を強調するため
対比
ムーランとのといった理由で、シウという妹を登場させたのではないでしょうか!
シウはムーランと違い、屋根を走ったりしないし蜘蛛を怖がったりするという、いわゆる「女の子らしい」キャラですよね。
ムーランの勇敢さや、他の女性との違いを強調するためにも、女の子らしいシウを登場させたのだと思われます!
フェニックスを登場させたことについて、ニキ・カーロ監督は、
この映画には代表的な生き物が登場しています。先祖を霊として表現し、特にムーランの父親との関係を表しているのです
ドラゴンは男性の象徴で、フェニックスは女性の象徴。本作では、ジェンダーを探求していく物語なので、この表現方法がとても素敵だなと思いました
引用:https://www.tvgroove.com/?p=29254
と話しています。
フェニックスは、東洋における鳳凰。
※実際は、鳳凰とフェニックスは別物で、鳳凰は不死身ではなく、鳳凰の卵が不老長寿の霊薬とされるため、「混合してる」と批判された
中国では、
- 皇帝の象徴→龍
- 皇后の象徴→鳳凰
鳳凰は元々、男性性と女性性を持ち合わせた両性の存在だが、龍と一緒になることで女性性となる。
フェニックスは女性の象徴というより、「男性性と女性性を持ち合わせた両性の存在」だからムーランに登場するという方がしっくり来ますね。
監督曰く「ジェンダーを探求していく物語」ということなので、ムーランとフェニックス(+魔女)の「女性だけで勝つ!」といったことを表現したかったのかもしれませんね。
⑤歌なし
【批判理由】
アニメ版は歌があり人気だったが、実写版では一切歌わない
【制作側の意図】
ディズニーブランドとして新しい方向性を打ち出すチャンスだと感じたから
【世間の反応】
えっ実写版のムーランって歌なしなん…
reflection聞きたかった…
ディズニーアニメの実写化やのに歌ないって…
見に行かんでいっか…— なぁー。☺︎ (@narmmhp) February 24, 2020
ムーラン実写映画、アニメとは違って歌なしだったよね?レア・サロンガの歌うreflectionが好きでよく聞くから、歌なしは寂しい。
— ポコうえ (@chronic_sorghum) August 20, 2018
アニメ版『ムーラン』では、ムーランが歌う「リフレクション」を始め、
- 「家に名誉を」(冒頭)
- 「闘志を燃やせ!」(シャン隊長)
- 「愛しい女よ」(隊員たち)
といった歌があり、ミュージカル要素が含まれていましたよね♪
実写『ムーラン』では印象的なシーンで「リフレクション」の音楽だけが流れたり、エンドロールで「リフレクション」が歌われたりしていますが、劇中では一切歌なし!
ミュージカル要素が排除されてしまっています(><)
歌なしにしたことについて、プロデューサーのジェイソン・リードさんは、
この作品がディズニーブランドとして新しい方向性を打ち出す素晴らしい機会だと感じた部分もありました。アニメ版のようなミュージカルコメディから違ったものを生み出すチャンスだと。
アニメ版は今でも存在します。しかし、そのベースを使って大作アドベンチャー映画を生み出すこともできるのです。
『グラディエーター』を5歳の子どもと一緒に見ることはできません。不適切ですから。
でも、そうした映画が大好きですし、壮大なスケールで描かれた大作を見るのも私は大好きでしたから
引用:https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/mulan-live-action-mushu
と話しています。
大人向けの作品として、ディズニーの新しい大作アドベンチャー映画を作り出したかったということですね。
確かに、ディズニーで5歳の子どもが見られない作品は基本的にないので、「大人も子どもも楽しめる」ではなく「大人が楽しめる」作品を作ったということでしょう。
しかし、ディズニー作品を見る大人は歌ありの作品が好きだと思いますので、「こんなのディズニーじゃない」という批判が出る結果になってしまったのだと思います(><)
『アラジン』や『美女と野獣』といったこれまでのディズニーの実写化作品では寧ろ歌が足されているのに、一切なくしたというのは結構寂しかったですね。。。
⑥時代背景と合っていない
【批判理由】
- ムーランの時代より後に登場したものが複数登場
- 中国では「妻の浮気を意味する」緑色の帽子をかぶった男性が登場
など、時代背景や舞台と合っていない
【制作側の意図】
?(中国系のスタッフがいなかったから?)
【世間の反応】
あと家が土楼になってるらしく喧嘩売ってんのかこらって感じです…いや土楼は土楼で大好きなんですけどムーランの家はそうじゃないだろ絶対に…
— 果糖 (@zvzsk) July 8, 2019
今年上映予定の映画ムーランって中国北方という設定なのに建物が土楼だったり言語が英語だったりしてなんか違和感しか感じない。
— 老仓仓 (@canghuixing) July 8, 2020
実写『ムーラン』は北魏(386年~534年)が舞台にも関わらず、
- 福建土楼
- 太極拳
- 椅子に座る
- メイク
といった、時代背景と異なるものが複数登場しています。
福建土楼は、下の画像のような建築物です。
実写版では、ムーランがこの福建土楼に住んでいましたよね。
福建土楼は宋(960年~1279年)の時代に出現した建物であり、ムーランの時代より400年ぐらい後なんです!
さらに、『ムーラン』の舞台である北魏は今の中国の北方にあった国であり、福建土楼はその名の通り、福建省(中国の南方)にあります↓
地図で見ると分かりやすいと思いますが、結構場所が違いますよね。
ムーランの住居は、時代背景も場所も違うものが使われていたということになります(><)
ムーランが使っていたような太極拳は、元(1271年~1368年)の時代に成立したものであり、ムーランの時代より700年くらい後のものです(><)
「THE 中国!」という感じでカッコいいですが、時代背景とは合っていなかったということになりますね。
ムーランの舞台である北魏の時代から椅子はありましたが、当初は椅子の上であぐらをかいて座るのが一般的でした。
実写『ムーラン』では、皇帝を含め普通の座り方をしていましたよね。
アニメ版『ムーラン』をザッと見返したところ、外にある椅子(石のベンチのようなもの)に座るシーンはありました。
全米公開から25周年🎉
『#ムーラン』年老いた父に代わり戦地へと赴く
家族思いのムーラン。吹替版でムーランを演じたのはアニメーション版『#リトルマーメイド』アリエル役のすずきまゆみさん。歌唱は『#美女と野獣』ベル役の伊東えりさんが担当しました。#ディズニープラス にて配信中🎵 pic.twitter.com/mSXHtSCjKk
— ディズニープラス公式 (@DisneyPlusJP) June 19, 2023
しかし石のベンチは外にあるものであり、外であぐらをかいて座ったら服が汚れてしまうので、普通に座ったと考えれば納得がいきます。
アニメ版にはなかった家の中での椅子を加え、時代背景と違う座り方をしたことも、批判の一因になってしまったようです(><)
ムーランがお見合いのシーンでしたメイクは、「花黄(別名:梅花妆)」と呼ばれる唐(618年〜907年)の時代に流行したもので、
- 額に花钿と呼ばれる花の模様をつける
- 白粉で顔を明るく仕上げる
といった特徴があります。
唐に流行ったものなので、ムーランの時代より100年弱後のものになりますね。
しかし、「花黄」のメイクは実は原作通りなんです!
『ムーラン』の原作である『花木蘭』には、
「對鏡帖花黄」
意味:鏡に対して花黄を帖る(鏡の前で花黄というメイクをした)
と書かれています!
流行ったのは唐の時代ですが、「花黄」自体は漢(紀元前206年〜220年)の頃からあったそうなので、原作のムーランも実写のムーランも時代の先を行っていたということでしょう♪
『ムーラン』の舞台である中国では、緑の帽子は「浮気された」「不倫された」という意味だそうです。
明(1368年〜1644年)の時代に、「浮気した男性は緑の帽子をかぶるべき」と法律で定められていたことに由来。
漢(紀元前206年〜220年)の時代→身分の低い人が緑の頭巾
唐(618年〜907年)の時代→犯罪者が緑の帽子や頭巾
を被らされていた。
緑の帽子が浮気関係の意味を持つようになったのは『ムーラン』の時代より後ですが、『ムーラン』の時代より前から緑の帽子はネガティブな意味を持っていたということですね。
実写『ムーラン』では、ムーランの村に徴兵令の使いが来た時のシーンで、緑の帽子をかぶった男性が何人かいます(^_^;)
1人くらいなら「村にそういう人もいるよね」となりますが、複数人いたので、中国の方からすると「治安悪い村だな」と思われてしまっても仕方ありません(^_^;)
時代背景についてはもちろん、現代でもネガティブな意味がある緑の帽子をかぶった男性が登場したのは、なぜなのでしょうか?
制作側は特にコメントしていないようですが、中国系のスタッフがいなかったからではないかと考察します!
実写『ムーラン』のスタッフを調べたところ、監督や脚本家、プロデューサーといった製作陣に中国系のスタッフはいませんでした。
中国系のスタッフがいないため、中国の時代背景と合わない描写があったり、ネガティブな意味を持つ色の帽子が登場したりしてしまったのではないでしょうか?
ガッツリ世界史を学んだ方以外の日本人にとっては、ほとんど違和感のない描写だったと思いますし、世界史が苦手だった私は特になんとも思いませんでした。
しかし、特に中国人の方にとっては違和感のある作品になってしまったようです(><)
⑦配信料金が高かった
【批判理由】
新型コロナウイルスの影響で劇場公開中止
&
Disney+(ディズニープラス)でのプレミアアクセス作品となり、
ディズニープラス月額料金770円(当時)+プレミアアクセス料金3,278円(税込)=4,048円(税込)がかかった
現在はDisney+ (ディズニープラス)の月額料金・990円(税込)以外にお金はかかりません!
【制作側の意図】
新型コロナウイルスの影響
【世間の反応】
#ディズニープラス は月額700円(税抜き)(=770円)。
今回、映画『#ムーラン』を観るためには、2,980円(税抜)(=3,278円)を払う必要があります。
映画一本観るのに4,048円。
う~ん…、ちょっと高いかなぁ…— I’s Radio (@opriday2) August 25, 2020
ムーラン、劇場公開しないで配信だけになっちゃったなぁ…でっかい画面で見たかった(´・_・`)ディズニープラス会員770円(初月無料)+プレミアムアクセス3,278円は高い。複数人で見る前提の料金価格ってツイート見てなるほど思ったけど、一緒に見る人が居ないぼっち民は…w
— M氏 (@kiiro____i) August 24, 2020
実写『ムーラン』は元々、2020年4月17日に劇場公開される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期を重ね、ついに劇場公開中止となってしまいました(><)
Disney+ (ディズニープラス)の作品は、それまでも現在も月額990円(税込)以外のお金はかからず、全作品見放題です!
しかし、実写『ムーラン』はディズニープラス月額料金770円(当時)に加え、プレミアアクセス料金として3,278円(税込)もプラスされることに・・・
何度でも&複数端末でも視聴できるため3回見るor3人で見れば元は取れますが、コロナで収入が減った方もいる中、結構高い値段ですよね(><)
現在はDisney+ (ディズニープラス)の月額料金・990円(税込)以外にお金はかからず見られるので、当時お金を払った方が「損した」と思っていてもおかしくありません(><)
なお『ムーラン』以降の実写作品で、劇場公開が予定されていた『ピーター・パン&ウェンディ』、実写『ピノキオ』は、プレミアアクセス料金なしで見ることができました。
\実写『ムーラン』を見るならDisney+ (ディズニープラス)!/
まとめ
実写版『ムーラン』の酷評や『最美逆行者』の炎上も、2017年に公開された中国版『深夜食堂』の点数の前にはかすり傷にしか見えない。約11万人が評価して10点満点中2.9点だ。ってか『最美逆行者』、いま書き込み停止してるのか。 pic.twitter.com/YiGno0e4UM
— 阿井幸作 (@ajing25) September 21, 2020
本記事では、ムーラン実写炎上・批判はなぜ?ムーシューやシャン隊長がいない・歌なしだけじゃないと題して詳しくご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
製作陣の調査不足が、炎上の要因になっていることが多いように感じました。
また、アニメ版『ムーラン』とはかなり違う別物になっているため、アニメ版のファンの方からの批判も多かったですね(><)
それでは、ムーラン実写炎上・批判はなぜ?ムーシューやシャン隊長がいない・歌なしだけじゃないを最後までお読みいただき、ありがとうございました。