今回は、怪物映画は実話がモデル?似てる事件を紹介!と題してお届けします。
6月2日に公開の映画『怪物』。
是枝監督はドキュメンタリー出身の映画監督であり、現代社会で実際に起った問題を取り扱うことが多いイメージですが、『怪物』も実話がモデルになっているのでしょうか?
本記事では、怪物映画は実話がモデル?似てる事件を紹介!と題して詳しくご紹介していきます。
- 『怪物』は実話がモデルなのか
- 似てる事件はあるのか
ぜひ、最後までお付き合いください(*^^*)
怪物映画は実話がモデル?
本日は、 #坂元裕二 さんの
お誕生日です。おめでとうございます💐ˊ˗素敵な一年をお過ごしください✨#怪物 #怪物だーれだ pic.twitter.com/Zq5y4oKNoA
— 映画『怪物』6月2日(金)公開 (@KaibutsuMovie) May 12, 2023
脚本家・坂元裕二さん自身の子どもの頃の体験を元にしている部分がある!
映画『怪物』の完成披露試写会にて、脚本家・坂元裕二さんは、
- 子どもの頃の体験を元にしている部分がある
- 坂元裕二さんが湊の立ち場
- 依里のモデルとなった転校していった友だちに、柊木陽太さんが似てる
- 子ども時代の体験を思い出しながら書いた
といったことを話していました!
そして早稲田大学で行われた授業「マスターズ・オブ・シネマ」では、具体的にどのような部分が実話なのかを話されていました。
坂元が「3つ目の(少年たちの)話は、子どもの時の友だちのことを思い出しながら書いていて。その子との関係性みたいなものや、秘密基地をつくったり、でも学校では話せなかったりというようなことをたくさん思い出しながら書いていた」
引用:https://eiga.com/news/20230610/14/?s=09
完成披露試写会でのお話と合わせると、
秘密基地を作った
湊と依里のように学校で話せなかった(坂元裕二さんは湊の立ち場)
湊が「学校では話しかけないで」と言っていたが、坂元裕二さんもその子とは依里のモデルとなった友だちは転校した
『怪物』のラストは解釈が分かれる描かれ方だったが、ということですね。
坂元裕二さんは女優の森口瑤子さんとご結婚されているため、湊のように依里が好きだったというわけではないと思いますが、それ以外の関係性は似ています。
怪物映画に似てる事件を紹介!
⋱⠢ 本日は完成披露試写会でした🎬 ⠔⋰
お越しいただいた皆様ありがとうございました₊✧
映画はいかがでしたでしょうか?感想は #怪物をみた で投稿お待ちしております🌱#怪物だーれだ#安藤サクラ #永山瑛太 #黒川想矢 #柊木陽太#高畑充希 #中村獅童 #是枝裕和 #坂元裕二 pic.twitter.com/P2uZWAN3Mb
— 映画『怪物』6月2日(金)公開 (@KaibutsuMovie) May 8, 2023
前章のとおり、映画『怪物』は脚本家・坂元裕二さん自身の子どもの頃の体験を元にしている部分があります。
それ以外にも現代社会でも実際に起きている問題が描かれていますので、本章では映画『怪物』で取り上げられている、
- 教師の暴力(冤罪)
- 豚の脳
- シングルファーザーの虐待
- 子どもの放火
- いじめ
- ビッグランチ
について、状況などが似てる事件をご紹介していきます。
教師の暴力(冤罪)→福岡市「教師によるいじめ」事件
映画『怪物』で描かれている教師の暴力(冤罪)は、福岡市「教師によるいじめ」事件という実在の事件と似ています。
2003年、小学校の男性教師が、曽祖父がアメリカ人である児童(事実は未認定)に対し、人種差別的ないじめをしたとされた。
全国の教育委員会で初めて「教師によるいじめ」が認められ、教師は停職6ヶ月の懲戒処分となり、マスコミにも大きく取り上げられた。
しかし2013年、「いじめ」の事実は認められないとして、教師の懲戒処分を取り消された。
『怪物』で保利先生が暴力の犯人にされた件と、福岡市「教師によるいじめ」事件は、
鼻血を出したり、耳を切ったりするといったケガをした
児童が児童の親が学校に抗議をしに来て、校長に体罰を訴えた
教師も当初はいじめの事実を認め、謝罪した
校長も事態を収めるために謝罪するように求めてきた
児童を対象に、教師のいじめについてのアンケートが行われた
保護者への説明会が行われ、担任の交代があった
週刊誌で取り上げられた
教師は自殺を考えるまでに追い込まれた
といった点が似ています。
鼻血を出したり耳を切ったりした点や、謝罪の流れ、その後の展開など、似てる部分が非常に多いですね。
教師はその後、2006年に別の小学校に異動動となり、2013年には懲戒処分が全て取り消されました。
保利先生は退職願を出してしまっていましたが、福岡市「教師によるいじめ」事件の先生のように冤罪だったわけですし、教師を続けられるといいのですが。。。
豚の脳
BBCから速報
先々月に遺伝子改変した豚の心臓を移植された男性が亡くなった模様 pic.twitter.com/iHOyQrfrtY— 同志しろ@文フリか-05 (@Shiro_White1111) March 9, 2022
映画『怪物』では、依里が父親から「豚の脳」と言われたり、湊が「保利先生に豚の脳と言われた」などと言っていましたよね。
「何で豚?」と思って気になって調べたところ、実際に、
豚の体内で臓器を作る研究がある(臓器移植を待つ方が多いため)
アメリカで、遺伝子操作した豚の心臓の移植手術を受けた男性がいる
ということが分かりました。
豚の体内で臓器を作る研究は、東京大学のグループとアメリカの研究所のグループが牽引しているそうですが、「倫理的な問題がある」という指摘も多いです。
2022年1月、末期の心臓疾患と診断されていた男性は、アメリカの大学医療センターで実験的な移植手術として、遺伝子操作した豚の心臓の移植手術を受けます。
術後の容体は良好だったそうですが、2ヶ月後に亡くなってしまいました。。。
男性は手術に伴うリスクを認識しており、アメリカの医療当局も特別許可を出していたということです。
湊が冒頭で言っていた「保利先生が豚の脳の移植についての研究があるって言ってた」というのは、本当の話だったようですね。
ただ、『怪物』内では「豚の脳」というのは、違う意味で使われています。
シングルファーザーの虐待→2013年9月に江東区で起きた事件
00:10放送 NHK総合『クローズアップ現代』の、父子家庭 急増の陰で~虐待死事件の波紋~コーナーで『江東区(東京)』を紹介しました
— テレビの内容 (@TV_naiyou) October 9, 2013
映画『怪物』で描かれているシングルファーザーの虐待は、2013年9月に江東区で起きたシングルファーザーの虐待事件という実在の事件と似ています。
2013年9月6日、東京都江東区。
4人の子どもを育てるシングルファーザーは、長男(5歳)が着替えを上手にできなかったことに怒り、全身を殴ったり蹴ったりした。
長男は病院に運ばれたが、その後、亡くなった。
依里の父親が虐待している件と、2013年9月に江東区で起きたシングルファーザーの虐待事件は、
シングルファーザー
男なので強くあって欲しいと思った」という理由から、日頃から手をあげていた
「勤めていた建設会社が倒産した(依里の父親は働いているが、転職している)
といった点が似ています。
2ケースとも、1人で子育てをするというストレスと、失職(転職)のストレスが合わさっている状況ですね。
「男なので強くあって欲しいと思った」という理由も似ています。
依里の父親・清高はおそらく、依里が男の子が好きなことを知っていて、「豚の脳」と罵り、虐待をしていました。
父親が息子に虐待をするのは、依里のような同性愛者ではなくとも、「男らしくあってほしいから」という理由で手をあげるケースが多いのかもしれませんね。
子どもの放火→奈良自宅放火母子3人殺人事件
映画『怪物』で描かれている子どもの放火は、奈良自宅放火母子3人殺人事件という実在の事件と似ています。
2006年6月20日5:00ごろ、奈良県田原本町。
16歳の少年が自宅に放火して全焼させ、父親の再婚相手である母親と、父親と継母の間に生まれた異母弟妹2人が亡くなった事件。
父親が入り浸っていたと思われるガールズバーが入るビルに依里が火をつけた疑惑と、奈良自宅放火母子3人殺人事件は、
父親がエリート(医師、依里の父親は元大手不動産会社勤務)
虐待していた
父親が父親は亡くなっていない
といった点が似ています。
2ケースとも父親がエリートであり、奈良自宅放火母子3人殺人事件では、父親のように医師になることを強要されていたということです。
子どもの気持ちを無視し、自分の思い通りにならないと虐待するといった点も似ていますね。
『怪物』では依里の犯行かはハッキリと描かれておらず、捕まってもいませんでした。
奈良自宅放火母子3人殺人事件の少年は、虐待による後天性の広汎性発達障害と診断され、中等少年院に送致されて保護処分となりました。
広汎性発達障害は、
- 対人関係を築くことが難しい
- 語彙力がある人もいるが、言葉の意味を正しく理解していない
- こだわりが強く、初めての場所や予定変更が苦手
といった特徴がある。
知的障害がない場合は「高機能自閉症」、言葉の遅れが目立たない場合は「アスペルガー症候群」と言われるが、いずれも広汎性発達障害の一種。
依里も小学校に入ってから男の子の友だちがいなかったり、鏡文字を書いていたり、朗読は苦手だが国語の成績は良かったりしましたね。
先天性か後天性かは分かりませんが、依里も何らかの障害を持っていたの可能性があるのかもしれません。
いじめ→各学校で起きている
小学校は、運動神経が良くて”カッコつけんな”と言われてハブかれた。中学時代は、机に「死ね」と書かれたり、背中や靴に雪を入れられた。高校時代は、前席の人をいじめて停学ギリギリ。わかったことはいじめる人は誰でも良い。いじめをする人たちの結束を高めたいだけ。だから自分を責めないで欲しい。
— ナメジャグ (@namejug3) April 3, 2022
映画『怪物』で描かれているいじめは、実際に各学校で起きていると思います。
依里は、
- 転ばされる
- イジメっ子(男の子)とのキスを迫られる
- 靴を取られる
- 机の上に絵の具を絞り出される
- 雑巾を投げ合って返してもらえない
- ゴミ箱の中に上履きを入れられる
- トイレに閉じ込められる
といったいじめを受けていました。
各学校で起きてることだと思いますし、実際にこのようないじめを受けた経験がある方、見たことがある方も多いのではないでしょうか?
私も小・中学時代いじめられていたのですが、実際に、
- 物(問題集)を取られる
- 物(筆箱)を投げ合って返してもらえない
- (使われてない部室に)閉じ込められる
というような似たようなことはされてきたので、依里が受けているいじめを見て余計に胸が苦しくなりました。。。
酷いことに変わりはありませんが、ニュースに取り上げられるほど壮絶すぎず、実際にありそうなところがリアルですよね。
ビッグランチ→ビッグクランチ
私も気になって調べたことがあるのですが諸説あり、圧縮してビッグバン前の状態に戻る「ビッグクランチ」と、宇宙がバラバラに破裂する「ビッグリップ」説があるようです。
どっちも破滅とか怖すぎ‥
(・・;) pic.twitter.com/Wj9HJEVXcN— 懲りない肉弾 (@nick116942) February 5, 2023
映画『怪物』で星川依里が言っていた「ビッグランチ」は、ビッグクランチのことです。
予測されている宇宙の終わり方の1つ。
宇宙は膨張しているらしい
↓
ある時点で全てのものが収縮すると言われている
最後の瞬間がどのようになるのか分かっておらず、宇宙は永遠に膨張を続けるとも言われている。
また、ビッグクランチ後に新しいビッグバンが起こり、宇宙が膨張を始めるとも言われている。
依里は間違えて「ビッグランチ」と覚えていましたね(笑)
なお、依里が言っていたような、時間が戻って牛肉が牛に戻ったり、人間が猿になったりするといった情報はありませんでした。
「生まれ変わり」の話は印象的でしたよね。。。
まとめ
6月2日公開『怪物』試写感想。いやー…これはすごい…何を言ってもネタバレになる…というか何ひとつ予備知識を入れず「どこに連れて行かれるのかわからない」翻弄される面白さを堪能してほしい。是枝裕和監督×坂元裕二脚本が予想斜め上まっしぐらな化学反応を起こした。傑作。 pic.twitter.com/S8Y7mxNiIf
— ヒナタカ@映画 (@HinatakaJeF) May 8, 2023
本記事では、怪物映画は実話がモデル?似てる事件を紹介!と題して詳しくご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
映画『怪物』は脚本家・坂元裕二さん自身の子どもの頃の体験を元にしている部分があるということです。
実際に起きた似てる事件もあり、福岡市「教師によるいじめ」事件と奈良自宅放火母子3人殺人事件は特に似てる部分が多いと感じました。
実話と似てると、より身近に感じて色々と考えさせられますよね。。。
それでは、怪物映画は実話がモデル?似てる事件を紹介!を最後までお読みいただき、ありがとうございました。