今回は、バービー実写映画ベトナムで上映禁止の理由はなぜ?九段線の地図が問題?と題してお届けします。
2023年8月11日(金)に公開される実写映画『バービー』。
日本以外にも色々な国で公開が予定されていますが、ベトナムでは上映禁止になったことが発表されました。
劇中に登場する地図に「九段線」が(中国が領有権を主張して独自に設定した境界線)描かれていることが問題だそうです。
「学校で習った覚えがないから、なぜ上映禁止になるのかよく分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、バービー実写映画ベトナムで上映禁止の理由はなぜ?九段線の地図が問題?と題して詳しくご紹介していきます。
- 「なにか問題らしいけど、具体的に何が問題なのか知りたい」という方
- 「どのシーンで登場するの?」と思った方
ぜひ、最後までお付き合いください(*^^*)
バービー実写映画ベトナムで上映禁止の理由はなぜ?
『バービー』がベトナムで上映禁止になった件で、問題となった地図というのがこれらしい⇩
現実の世界地図とは随分違うし、製作側に政治的な意図があったのかはよく判らない。それとももっとリアルな地図が出てくるのだろうか。 pic.twitter.com/1XqA1gzaBf— コルレ尾根 (@Tori_Corleone) July 4, 2023
理由→九段線が描かれた地図が登場するから
実写映画『バービー』はベトナムで上映禁止となっており、フィリピンや台湾、マレーシア、ブルネイでも公開禁止の可能性があると報道されています。
その理由は、『バービー』の劇中に九段線が描かれた地図が登場するためです。
九段線は中国が勝手に引いた線であり、ベトナムやフィリピンなどはそれぞれ自国の領有権を主張しているのです。
なぜ九段線の地図が問題なのかについては、次章で詳しく解説していきます。
バービー実写映画ベトナムで上映禁止の理由は九段線の地図が問題?
【有村昆・出演情報】
明日朝11時から、テレビ朝日
「大下容子ワイド!スクランブル」に出演します‼️バービー人形の実写版映画「バービー」がベトナムで公開禁止になったニュースを解説しています🎬… pic.twitter.com/e9S4Aku7yW
— 有村昆 (映画コメンテーター)ホリプロ (@arimura_kon) July 6, 2023
実写映画『バービー』は九段線が描かれた地図が登場するため、ベトナムで上映禁止となっています。
私は学校で九段線について習った覚えがなかったため、なぜ問題なのかを調べ、
- 九段線が問題の理由
- 問題のシーン
- 制作側の対応
をまとめてみました。
私のように「何かが問題らしいけど、具体的になぜ問題なのか分からない」という方に参考にしていただければ幸いです。
九段線が問題の理由
テレ朝「ワイド!スクランブル」
ご覧頂きありがとうございました😊映画「バービー」の九段線問題について、
解説させていただきました🙇今度YouTubeでもしっかりと解説させて頂きます‼️#テレ朝 #ワイドスクランブル #大下容子 #バービー pic.twitter.com/QenhmuLq13
— 有村昆 (映画コメンテーター)ホリプロ (@arimura_kon) July 7, 2023
実写映画『バービー』は九段線が描かれた地図が登場するため、ベトナムで上映禁止となっています。
なぜベトナムでは問題で、日本では公開していいのかなど分かりませんよね(><)
そこで、九段線が問題の理由について、
- そもそも九段線とは何か?
- 九段線が引かれた歴史
- ベトナムなどの主張と裁判の結果
をご紹介していきます。
そもそも九段線自体知らないという方にも、参考にしていただければ幸いです。
九段線とは?
九段線を簡単に説明すると、中国が勝手に引いた線です。
上の地図の赤い部分が九段線であり、中国は管轄権が及ぶと主張しています。
つまり、「ここまでの海が中国のもの!」ということです。
中国も加盟している国連海洋法条約では、
12海里(約22km)以内
沿岸国の基線(領海の基準となる線)は200海里(約370km)以内
排他的経済水域(天然資源の管理などの権利、人工島・施設の設置などの管轄権が及ぶ範囲)はとされているのですが、中国が引いている九段線は上記の基準よりも遠いのです!
【国連海洋法条約とは?】
国際海洋法(領海の幅や資源の利用に関する国際法規)において、最も普遍的な基本条約であり、別名「海の憲法」とも呼ばれている。
九段線は何に基づいて引いているか不明であり、中国側もきちんとした説明をせずに「歴史的権利」を主張しています。
つまり、中国は海の憲法で定められている範囲を超えた分も説明もなく「中国のもの!」としてしまっているわけです。
九段線が引かれた歴史
どうして中国が海の憲法に違反している九段線を勝手に引いたのか、その歴史についてもご紹介していきます。
中華人民共和国成立前
↓
第二次世界大戦後 中華民国海軍は南シナ海の島々を使用し始める
↓
1947年 「中国の権威が及ぶ範囲」として、南シナ海に11の線「11段線」を引く
↓
1953年 今の中華人民共和国になってから、2つの線が削除され、現在の九段線の形になる
※ベトナム戦争当時支援していた北ベトナム軍のレーダー建設などを妨げないようにするため減らした
↓
1994年に国連海洋法条約が発効されてからも権利を主張し続けている

つまり、第二次世界大戦後に使用してた分を、ベトナム戦争の邪魔にならないように数を少なくし、条約が決まってからも権利を主張し続けているというわけです。
近くの国の主張と裁判の結果
中国が勝手に引いた九段線により、ベトナムやフィリピン、マレーシアなどは、
- 漁業
- 石油、天然ガスといった資源
などの面で被害を受けており、中国と対立してそれぞれ自国の領有権を主張しています。
フィリピンは常設仲裁裁判所に申し立てを行い、2016年7月、仲裁裁判所は「中国の権利主張には『法的根拠がない』」という判決を下しました。
【常設仲裁裁判所とは?】
常設の国際仲裁法廷で、国家や国際機関の間の紛争についての仲裁や調停、国際審査を行う。
中国として不服だったそうですが、フィリピンの元大統領の訪中を歓迎し、各方面の協力で合意しました。
具体的には、
- フィリピン漁民の操業の再開
- フィリピン領となる人工島の建設を中国が開始
などといったことが行われているそうです。
フィリピンの当時の大統領も演説で南シナ海を「西フィリピン海」と呼んだ際、「中国海としても知られている」とも話していて、中国へ配慮しています。
問題のシーンは?
ベトナムで上映禁止となるほど問題になっている九段線のシーンは、実写映画『バービー』の予告にも出ています。
異変が起きてしまったバービーが、変わり者のバービーの所に訪ねていき、今までの場所にいるか、人間の世界に行くかを問われるシーンです。
青い衣装を着たバービーの後ろに「WORLD MAP」が映っており、そこの破線が九段線ということですね。
地図自体、現実の地図とはだいぶ違いますので、どれが九段線なのかパッと見では分かりません。
おそらく、バービーの頭の右上にある緑の国の下に引いてあるのが九段線ではないかと思われます。
しかし、位置的に考えると「Asia」と書かれた大陸の横にある線かもしれません。
制作側の対応
グレタ・ガーウィグ監督「バービー」(“Barbie”)に、中国が南シナ海における領有権を主張するために記している”九段線”が描かれた地図が登場することについて、Warner Bros.は「地図は子どもがクレヨンで描いたような落書きで、いかなる種類の声明を表すものではない」とコメントしたようだ。(Variety) pic.twitter.com/rr1N2Nt80s
— cinepre (@cinepre) July 6, 2023
実写映画『バービー』の製作・配給を務めるワーナー・ブラザース・ピクチャーズの広報は、ベトナムでの上映禁止を受け、以下の声明を発表しました。
バービーランド(映画の舞台)にある地図は、子供が描いたようなクレヨン画です。
バービーランドから“現実世界”へ、バービーの架空の旅を描いたものであり、何かしらの声明を発表することを意図したものではありません
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/a1649839eb6811c2112fbc9d6a373a6098c9a8b7
予告を見ても分かるように、実際の世界地図とはだいぶ違う落書きのようなものですよね。
しかし、この声明を発表してからベトナムが上映を許可したという情報は現在のところありません。
ベトナムの外務省の報道官によると、「『九段線』が描かれた製品や出版物の宣伝および使用は、ベトナムの法律に違反しており、容認できない」ということです。
今後もベトナムで『バービー』が公開されることはないと思われます。
またフィリピンの検閲当局は、九段線が描かれている地図をぼかすように配給元・ワーナーに要請しています。
検閲当局は「『九段線』は描かれていないが、「アジア」と書かれた大陸の周りに破線があり、フィリピン、マレーシア、インドネシアは地図上にない」と指摘しています。
そして、波線をぼかすようにワーナーに要請しているのですが、ワーナーは現在、どのように対応するのかは明らかにしていません。
まとめ
実写化映画「バービー」が30カ国で上映予定ですが、ベトナムでは上映禁止に。地図が映るシーンで中国が領有権を主張する九段線が描かれていた為。中国企業のハリウッド投資額は増加しており、影響力も大。中国企業の口出しで内容が変更された映画もあるらしいです(^_^)Bar Oh! Baby開店しました♪ pic.twitter.com/WfwfmieEBl
— Bar Oh!Baby 不動前 (@zery0007) July 7, 2023
本記事では、バービー実写映画ベトナムで上映禁止の理由はなぜ?九段線の地図が問題?と題して詳しくご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
実写映画『バービー』には九段線が描かれている地図が登場するため、ベトナムで上映禁止となっています。
なぜ九段線が問題なのかや、問題となっているシーンもご紹介しましたので、参考にしていただければ幸いです。
それでは、バービー実写映画ベトナムで上映禁止の理由はなぜ?九段線の地図が問題?を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
