今回は、ミスサイゴンあらすじネタバレを用語解説付きで紹介!命をあげようの場面は?と題してお届けします。
2022年7月24日(日)~11月13日(日)まで、東京・大阪・愛知・長野・北海道・富山・福岡・静岡・埼玉で上演されるミュージカル『ミス・サイゴン』。
私は、あまり予備知識を入れずに観に行ったのですが、観劇後に思いました。
世界史の先生がほしい!!
- ベトナム戦争末期って言うけど、そもそもベトナム戦争って何だっけ?
- G.I.って何の略?
- 結婚式の歌は、どういう意味?
などなど、ありとあらゆる疑問が出てきてしまったため、図書館で本を借りまくって調べてみました。
世界史が大の苦手だった私が、自分でも分かるように用語解説付きで、ネタバレをご紹介していきます!
本記事では、ミスサイゴンあらすじネタバレを用語解説付きで紹介!命をあげようの場面は?と題して詳しくご紹介していきます。
- 『ミスサイゴン』の予習・復習をしたい方
- 「あのシーン、あの歌はどういう意味?」と疑問に思った方
- 時代背景を詳しく知りたい方
- 「テレビで『命をあげよう』を聞いたことがあるけど、あれは何の歌?」と気になった方
ぜひ、最後までお付き合いください(*^^*)
ミスサイゴンあらすじネタバレを用語解説付きで紹介!
「ミス・サイゴン」の曲は多分全部唄えます(笑)。
あまりネタバレしないように気をつけます(^^;) #ミスサイゴン pic.twitter.com/TqqkcNmFPY— hiroharu-K (@hiroharu_0103) November 22, 2019
『ミスサイゴン』のあらすじ・ネタバレを用語解説・イラスト付きで分かりやすくご紹介していきます!
まだ観ていない方はネタバレ注意ですが、予習をしていくと、より深く楽しめると思いますよ(*^^*)
時代背景
『ミスサイゴン』のあらすじ・ネタバレをご紹介する前に、まずは時代背景についてイラスト付きで分かりやすく解説していきます。
- 「ベトナム戦争ってそもそも何だったっけ?」
- 「何となく知ってるけど、詳しく知りたい」
という方は、ぜひ参考にしてみてください(*^^*)
ベトナム戦争の起源は第2次世界大戦後まで遡ります。
第2次世界大戦中、ベトナムは日本に支配されていましたが、第2次世界大戦後、元々支配していたフランスが支配するようになりました。
支配を終わらせたいと思ったホー・チ・ミンが「ベトミン」を結成&「北ベトナム」の建国を宣言。
対してフランスは、サイゴン市を中心に「南ベトナム」を成立させます。
そこに、
ソ連&中国→北ベトナム側
アメリカ→南ベトナム側
に「支援しますよー!」と登場し、第1次インドシナ戦争となってしまったのです。。。
しかし「アメリカン・ドリーム」にも出てくる「ディエン・ビエン・フーの戦い」の戦いでフランス軍が降伏。
1954年に第1次インドシナ戦争は終わりを迎えるのです。
第1次インドシナ戦争後、ベトナムは南北2つの国に分けられます。
しかし南ベトナムのゴ・ディン・ジエムが腐った独裁政治をした結果、南ベトナム内で「ベトコン」が結成されます。
そして南ベトナム内で、内戦が始まってしまうのです。
- 「ベトミン」→北ベトナムを支配中
- 「ベトコン」→南ベトナムにいて、内戦を起こしている(北ベトナム支援の下)
いる場所は違うが、両者とも南ベトナム&アメリカに対抗する仲間
南ベトナム内での内戦が続く中、「トンキン湾事件」が起こり、アメリカはこれを口実に、本格的に北ベトナムを攻撃しだします。(=ベトナム戦争)
アメリカの軍艦は、北ベトナムの海軍基地を急襲するために、北ベトナム近くのトンキン湾にいた
↓
しかし北ベトナムが先に攻撃を仕掛けてきた
ベトナム戦争の最中、アメリカ国内では反戦運動が盛り上がります。
この運動を受け1973年、アメリカのニクソン大統領は、アメリカ、南ベトナム、北ベトナム、ベトコンとの間で「パリ和平協定」を結ぶのです。
こうしてアメリカは南ベトナムから撤退しましたが、指導者が国の将来を検討する間、戦地にいたアメリカ兵たちは、そのまま残ることに。。。
しかし1975年3月、北ベトナムが再度、南ベトナムに攻撃を仕掛けます。
「北ベトナムが協定に違反したら帰ってくる」と言っていたアメリカ軍は、帰ってこなかったのです。。。
1975年4月、『ミスサイゴン』はココから始まります!!
1975年4月、北ベトナム軍が、南ベトナムの中心地・サイゴン市の首相官邸に突入=サイゴン陥落。
南ベトナム軍は降伏し、ベトナム戦争は終結したのです。
いかがでしたでしょうか?
『ミスサイゴン』のあらすじでは、いきなり「ベトナム戦争末期」と表現されていますが、背景を詳しく知ると、より理解が深まりますよね。
第1幕
『ミスサイゴン』の第1幕で起こるあらすじを、簡単にまとめました。
娼婦のキムと、アメリカ兵のクリスが恋に落ちる
↓
サイゴン陥落後、2人は離れ離れに
↓
3年後、キムはクリスとの間にできた子ども・タムを育てていた(in ベトナム)
↓
一方、クリスはエレンという妻と結婚していた(in アメリカ)
↓
キムの許嫁・トゥイが、キムに結婚を迫る
↓
キムがタムの存在を告げると、トゥイは怒り、タムを殺そうとする
↓
我が子を守るために、キムはトゥイを殺す
↓
犯罪を犯し、追われる身となったキム
↓
キムは元々働いていた売春宿のオーナー・エンジニアを頼り、エンジニア、キム、タムの3人は国外に脱出する
ここからは『ミスサイゴン』の詳しいネタバレについて、用語解説付きで詳しくご紹介していきます。
- G.I.って何の略?
- サキソフォーンって何?
- 結婚式の歌の意味は?
- あの龍が出てくるダンスは、どういう意味?後ろの男性は誰?
- エンジニアがいた収容所ってどんなところ?
といった疑問にも分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください(*^^*)
キムとクリスが恋に落ちる
舞台は1975年4月のベトナム。
戦争で親と故郷を失った17歳のベトナム人の女の子・キム。
キムは生きていくために、エンジニアが営む売春宿「ドリームランド」で働くことになります。
「ドリームランド」は娼婦たちが、G.I.を相手に身体を売るお店で、そこで働く女性たち&エンジニアは、アメリカに行って幸せな生活をすることを願っているのです。
「ドリームランド」のNo.1であるジジが歌う「我が心の夢」が有名な曲だよ!
キムも「見たのよ、夢~♪」って歌うやつ!
アメリカ陸軍の兵士の俗称。
- Garrison issue(駐屯地支給品)
- Government issue(官給品)←国から支給されるもののこと
- General infantry(一般歩兵)
などの略とされている。
戦争で体も心も疲れ切っているアメリカ兵・クリスは、上官&戦友であるジョンに連れられ「ドリームランド」にやって来ます。
気乗りしないクリスのためにジョンがお金を出し、キムにとって最初のお客さんはクリスとなります。
ここで歌われる「バータリング・フォー・キム」の中で、エンジニアはキムの値段を「1時間なら20ドル、+20ドルで個室、泊りなら50ドル」としています。
現在の日本円に換算すると、
- 20ドル=2,500円ほど
- 50ドル=6,500円ほど
となりますね。
一夜を共にした2人は恋に落ちます。
何で恋に落ちたのかは詳しくは描かれていませんが、
- 初めてだったクリスが優しかったから
- 純粋なキムに光を見出したから
- 2人とも極限状態で、ほぼ「吊り橋効果」的な感じ
とった理由なのではないかと考えられます。
クリスはジョンに電話します。
ジョンが「ドリームランド」に誘ったのに、一喝されてしまうクリス(^^;
「電話」の中で、ジョンは「グエン・ヴァン・チューは辞任した」と言います。
グエン・ヴァン・チューは南ベトナムの大統領。
北ベトナムが攻撃してきたのに、アメリカが助けに来ないと知り、1975年4月21日に大統領を辞任します。
ジョンへの電話の後、クリスはキムに「ドリームランド」を辞めさせるために、エンジニアにお金で交渉し、無理やり了承を得ます。
2人は結婚
キムとクリスは、「ドリームランド」の娼婦たちに祝福され、結婚式を挙げます。
「ドリームランド」のNo.1に選ばれ「ミスサイゴン」となったジジからも、「あなたこそ、本当の『ミスサイゴン』よ」と祝われるのです。
「ジュ―ヴァイヴェイ~ユードイマイ~、ヴァオニャイモイ~♪」はベトナム語で、
- 「Chúc vui vẻ」楽しめますように、幸せがありますように、
- 「Yêu đời mãi」永遠の愛
- 「Vào ngày mới」新しい日に
という意味。
そんな幸せの最中、キムの許嫁・トゥイが乱入!
トゥイはキムが13歳の時に、キムの両親が結婚を決めた人物です。
トゥイはクリスを見て、めちゃくちゃ怒り、2人とも銃を持ち合います。
トゥイとクリスは、「キムを取り合う男性」というだけではありません。
トゥイは「ベトコン」(南ベトナム&アメリカに抵抗する人たち)なのです。
=トゥイにとってクリスは、恋愛的にも立場的にも「敵」になります。
トゥイは銃を下ろし、「もうすぐサイゴンは陥落する、G.I.も終わりだ」という捨て台詞を吐いて、去って行きました。
その夜、クリスはキムに「アメリカに連れて行く」と約束し、愛を誓い合います。
最初の部分の中毒性がヤバくて、永遠に頭の中でループしてる♪
「世界が終わる夜のように」の歌詞にある「サキソフォーン」とは、「サックス」のこと。
サイゴン陥落後、離れ離れに
一気に時は進み、あれから3年後、1978年4月のホーチミン(旧・サイゴン)。
社会主義国家となったベトナムでは、建国3周年のお祝いが行われていました。
「資本(土地、資金、施設)は国・公共のもの」という考え方の国家のこと。
国民みんなが「政府に雇われた労働者」という感じであり、大きな貧富の差は生まれにくいが、経済の発展は遅れがち。
ドラゴンダンサーたちによるアクロバティックなダンスは、建国3周年を祝う式典。
今でいう「南部解放の日」であり、ベトナムでは4月30日は祝日となっている。
ドラゴンダンサーたちの後ろに出てくる大きな男性の像は、ホー・チ・ミン。
出世して人民委員長となったトゥイは、収容所で再教育を受けていたエンジニアにキムを探させます。
各行政レベル(省レベル、県レベル、市町村レベル)に存在し、人民評議会議員によって選出される。
ホーチミン市(旧・サイゴン)の場合は、市の執行部門の頂点にいる人。
北ベトナムが運営していた強制収容所。
南ベトナム人など、社会主義国家支持者ではない人たちに対し、「再教育」として過酷な重労働などをさせていた。
「あれ?キムとクリスは?」と思うと思いますが、キムはベトナム、クリスはアメリカと、離れ離れに。。。
難民キャンプにいたキムは、クリスが戻ってきてくれることを信じていました。。。
難民が集まり、移住する場所のこと。
最低限レベルの設備しかない。
キムはおそらく「インドシナ難民」だったと思われます。
「インドシナ難民」とは、ベトナムが社会主義体制に移行したことにより、
- 経済活動に制限がかけられる
- 迫害を受ける
- 馴染めない
といった理由で、国外に逃れようとしていた人々のことです。
一方、アメリカにいるクリスにはエレンという妻がいて、帰国後、PTSDに苦しんでいるクリスを支えていました。
死の危険に直面した後に発症する病気。
- 記憶がフラッシュバックしたり、悪夢を見たりする
- トラウマを思い出させる人や場所を避けようとする
- 不眠になったり、自暴自棄になったりする
といった症状があり、辛さのあまり現実感がなくなったりもする。
クリスは悪夢を見て「キム!!」と叫んだりしてたね
エレンにはキムのこと話してなかったから、エレンからすれば「キムって誰?」状態だけど(>_<)
キムがトゥイを銃殺
神田さんのトゥイ。昆キムとの対峙シーンめちゃ熱くて1幕の山場だった。凄く良い。凄く良いんだけど『ミスサイゴン』25周年DVDのホン・グァンホさんのトゥイが印象に残りすぎてて、神田トゥイがまた解釈や声のトーンが似ているもんだから思わずホン・グァンホのトゥイを脳内再生しながら観てしまった。 pic.twitter.com/USkJ6l8gBw
— KOZOU (@KOZOU62723941) August 7, 2022
トゥイにキムを探すよう命令されていたエンジニアは、難民キャンプにいたキムを見つけ出し、キムとトゥイは再会します。
「結婚しよう」と迫るトゥイに対し、キムの答えは、もちろんノー。
と、クリスとの間にできた息子・タムの存在を明かします。
このシーンで歌われる「クークー・プリンセス」の中でトゥイが言う「パンスケ」とは娼婦の蔑称のこと。
「クークー」とは頭のおかしいという意味。
「アメリカ兵と結婚しただけじゃなくて、子どもまでいるだって!?」と逆上したトゥイは、タムを殺そうとします。
ここで歌われる「トゥイの死」の冒頭、トゥイはキムに「タムを人に見せるな」と言います。
キムのように、アメリカ兵を相手にしていた娼婦は当時、「貧しさゆえに敵であるアメリカ兵になびいた」と偏見を受けていました。
そしてタムのような、その子どもも同様に差別されていたのです。
タムを守るため、キムは持っていた拳銃でトゥイを撃ち殺すのです。
エンジニアと国外へ
人民委員長であるトゥイ(=偉い人)を殺してしまい、追われる身となったキムはエンジニアを頼ります。
エンジニアはタムを見て「この子と一緒ならアメリカに行ける!」と思い、キムの兄を装って国境を超えようと提案します。
エンジニアはアメリカに行けば幸せになれると信じ、執念深くアメリカに行くことを願っています。
タムの父親・クリスはアメリカ人なので、家族を装えばアメリカに移住できると考えたのでしょう。
エンジニアと一緒に国境を超えることに同意したキムは、荷造りをします。
エンジニア、キム、タムは難民の群れに紛れ、国外へ脱出します。
「キムとエンジニア」の歌の中で、エンジニアが「ボートピープル・デラックス」と歌っています。
このことからキムたちは、「ボートピープル」として脱出したと思われます。
「ボートピープル」とは、小さな船でベトナムを脱出した人たちのことで、タムのような子(ベトナム人とアメリカ人のハーフ)も大勢いました。
第2幕
『ミスサイゴン』の第2幕で起こるあらすじを、簡単にまとめました。
キムが生きていることと、タムの存在を知ったクリスは、妻・エレンと共にキムのいるバンコクへ行く
↓
キムはクリスの戦友・ジョンに会い、クリスがバンコクに来ていることを知り喜ぶ(エレンのことは知らされていない)
↓
キムのもとにトゥイの亡霊が現れ、サイゴン陥落でクリスと離れ離れになったシーンがフラッシュバックする(回想シーン)
↓
現在に戻り、キムはクリスのいるホテルに行くが、そこにいたのはエレンだった
↓
エレンから、自分が妻であること・タムを引き取れないことを告げられたキム
↓
キムはタムをアメリカに行かせて幸せにするために、自ら命を絶つ
ここからは『ミスサイゴン』の詳しいネタバレについて、用語解説付きで詳しくご紹介していきます。
- 何でキムたちはアメリカに行きたがってたのに、バンコクにいたの?
- ジョンが歌っていた「ゴミクズ」「ブイドイ」ってどういう意味?
- 「アメリカン・ドリーム」に出てくる「ディエンビエンフーの戦い」って何?
といった疑問にも分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください(*^^*)
クリスはキムのもとへ行くことを決意する
時と場所が変わり、舞台は1978年9月のアメリカ・ジョージア州の都市、アトランタ。
キム、エンジニア、タムが国外脱出してから5ヶ月後だね!
アトランタにはクリスとエレンもいるよ!
クリスの元戦友・ジョンは、「ブイドイ」の救済活動(父親を与える運動)をしていました。
ベトナム人女性と、アメリカ兵との間にできたハーフのこと。
ベトナム語に直訳すると「埃の子」「靴の裏についたゴミ」という意味。
北ベトナム人が蔑称として使っていた呼び名であり、正式には「アメラジアン」という。
ブイドイとその母親は、「敵であるアメリカ兵と付き合い、子どもまでできた」ということで差別されていた。
ジョンは「ブイドイ」という歌の中で、高らかに「地獄で生まれた『ゴミクズ』」と歌いあげるます。
「ゴミクズ!?」とギョッとしてしまいますよね(^^;
あれは「ブイドイ=ゴミクズだ」と言っているのではなく、「“ゴミクズ”と言われている」と言っているのです。
ジョンは大使館からの報告書をクリスに伝えます。
その報告書には、
- キムが生きていること
- キムには子どもがいること
- キムがバンコクでホステスをしていること
などが書かれていました。
ジョンはキムと再会する
サイゴン夜公演終演🇻🇳ここだけの話、今日は2幕「バンコク」のシーンで演じるハスラーのYシャツが、着替えてる時に絡まって舞台に出遅れるところでした💦危なかったー💦
そんな感じで順調にやってます☺️
明日は昼スタンバイの夜出演です🚁本日もお越し下さいましたお客様ありがとうございました✨ pic.twitter.com/VSytB05Gcy— 藤田 宏樹👀✨ (@hiroki_fujita32) August 9, 2022
またまた場所が変わり、舞台は1978年10月のタイの首都・バンコク。
クリスがキムのもとに行くことを決意してから1ヶ月後だね!
バンコクにはエンジニア、キム、タムがいるよ!
キャバレーにてエンジニアは客引き、キムは娼婦として働いていました。
ここで歌われる「バンコク」の中で、エンジニアは「1時間なら10セント」と言っています。
現在の日本円に換算すると、10円です。
「どうしてアメリカに行こうとしていたエンジニアやキムがバンコクにいるの?」と思いますよね。
キムたちのような「ボートピープル」は、アジア地域の難民キャンプを経て、アメリカやフランス、日本などに定住することが多かったようです。
アジア地域の中でも香港やマレーシア、タイに辿り着いた人々が多く、そこに難民キャンプが設置されていました。
ジョンはキムが働いているキャバレーに行き、キムと会います。
「何でジョンまでバンコクに来てるの?」と思うかもしれませんが、ジョンはブイドイの救援活動をしているので、その一環です。
ジョンはキムに、クリスがバンコクに来ていることを告げます。
「クリスに会える!彼を信じていたの!」と喜ぶキムに、ジョンはクリスがエレンと結婚していることを言い出せません。
トゥイの亡霊が現れ、回想シーンへ
何も思わず正にこのシーンよね~😆なんて #ミスサイゴン のサイゴン陥落のシーンを思い出しつつ旧大使館の真正面でも写真を撮ろうとしたら注意されたけど 今も総領事館なので😅 #MissSaigon pic.twitter.com/KcOuVVDDNB
— tamiko@ (@Namitaka) September 20, 2018
クリスに会いに行く準備をするキムのもとに、トゥイの亡霊が現れ、1975年4月、サイゴン陥落直前のシーンがフラッシュバックします。
キムとクリスが結婚式を挙げた後だよ!
「サイゴン陥落って何だっけ?」という方は、前章で復習!
サイゴン陥落直前、キムとクリスは一緒にいました。
「一緒にアメリカに行こう」とキムに約束していたクリスは、キムに荷造りをさせます。
クリスの予想に反して敵が来ており、アメリカ兵は全員避難するように言われていました。
アメリカ兵が取り残されたら、北ベトナム側に戦争捕虜にされてしまうためです。
南ベトナム人たちも、アメリカ大使館の敷地内のヘリで避難しようと、大使館に大勢の人が押し寄せていました。
政府やアメリカ人のもとで働いていた人々は、北ベトナムから制裁を受けるかも!
↓
空港に辿り着けば、国外に脱出できるはず!
↓
アメリカ大使館にあるヘリで避難しよう
ということです。
南ベトナム人は、北ベトナムによる社会主義の政権を恐れていました。
キムも大使館に行き「中に夫がいる!」と叫びますが、大使館の門は閉ざされていて、南ベトナム人は入ることができません。。。
南ベトナム人が取り残された理由は、南ベトナム政府にとって、キムのような人々はアメリカからの援助を確保するための「人質」だったからだそうです。
クリスも必死に大使館の中からキムを探しますが、最後の脱出用のヘリが到着し、クリスはジョンに引きずられながら無理やりヘリに乗せられます。
こうしてクリスは脱出用のヘリでアメリカへ、キムは大使館に取り残されそのままベトナムにいる形となり、2人は離れ離れになったのです。。。
キムとエレンが会う
『ミスサイゴン』小野田クリス②
クリスにとってキムは「運命の人」。そしてエレンは「人生の伴侶」。エレンはクリスの心の鍵を開けられない。無理に開ければクリスの心は壊れる。エレンはそれを分かっている。だからクリスが心が壊れる覚悟でした告白を受け入れる。「もういいの。今こそあなただけ」 pic.twitter.com/dRURUWq2Vi— KOZOU (@KOZOU62723941) August 8, 2022
回想シーンから時は戻り、1978年10月のタイ・バンコク。
キムはクリスがいるホテルを訪ねますが、クリスはちょうどキムを探しに行っているところで、エレンしかいませんでした。
クリスを信じ続けていたキムはショックを受けますが、「せめてタムだけでも幸せになってほしい」と考えます。
キムは、今夜クリスは自分に会いに来るべきだとエレンに告げ、ホテルの部屋を出て行きます。
「どうして自分で育てようとしないの?」と思うかもしれません。
- キムは難民で、バンコクでは不法滞在も同然
- 娼婦として働いている
- ベトナムでは犯罪者だから戻れない
- 当時のベトナム人にとって、アメリカは「行けば幸せになれる」夢のような国だった
といったことから、キムはタムをアメリカに行かせて、ちゃんとした教育を受けさせ、幸せな人生を送らせようとしたのです。
キムが出て行った後、エレンは悩みます。。。
キムが自ら命を絶つ
その直後、キムを探しに行っていたクリスとジョンが帰ってきます。
エレンはクリスにキムと会ったことを告げ、クリスはついにキムのこと、ベトナムでの辛い経験をエレンに打ち明けるのです。
エレンはさらに、キムが「タムを引き取ってほしい」と言っていることを話します。
クリスとエレンは、援助することを告げに、キムのもとに行くことにします。
アメリカ国外に住んでいるアメリカ市民の子どもを対象とした学校。
アメリカと同様のカリキュラムで、幼稚園~高校まで通う。
「アメリカ市民の子ども」が通う学校だから、現代風に言うと自分の子どもだと「認知」する形になるのかな?
ちなみに「インターナショナルスクール」は多民族、アメリカンスクールはアメリカ市民の子どもだけだよ!
キャバレーに戻ってきたキムは、エンジニアにクリスが今夜来ることを告げます。
エンジニアは「アメリカに行ける!」と大喜びし、期待に胸を膨らませます。
「アメリカン・ドリーム」の中で出てくる「俺の親父はハイフォンで入れ墨師だった」の「ハイフォン」はベトナム北部の都市のこと。
「ディエン・ビエン・フーの戦い」は、第1次インドシナ戦争中に起きた戦いのこと。
フランス軍(南ベトナム側)がディエンビエンフー(土地の名前)に巨大な基地を建設
↓
これでベトミン(北ベトナム)を一気にやっつけよう!
↓
ベトミンは約5万人の兵で、ディエンビエンフーを包囲
↓
対するフランス軍の兵は約1万5千
↓
フランス軍は降伏した
エンジニアはフランスとベトナムのハーフなんだよ!
「第1次インドシナ戦争って何だっけ?」という方は、前章で復習!
クリス、エレン、ジョン、エンジニアは、キムの部屋に向かいます。
一方キムは、タムに洋服を着せ、準備をしています。
エンジニアはタムを抱き、キムの部屋の外にいたクリス達に紹介します。
一方キムは、タムをアメリカに行かせて幸せにするため、クリスからもらった拳銃で自ら命を絶つのです。。。
銃声が聞こえ、クリスはすぐに部屋に入り、倒れているキムを見つけます。
キムはクリスの腕の中で、息を引き取りました。
ミスサイゴン命をあげようの場面は?
『ミスサイゴン』の劇中歌であるキムの楽曲「命をあげよう」はとっても有名ですよね!
『ミスサイゴン』を見たことがない方も、「テレビで『命をあげよう』は聞いたことある!」という方も多いのではないのでしょうか♪
何も知らない状態で聞くと、「何か子どもに向けて歌ってるっぽいし、感動するけど、所々意味がよく分からないな~」と思っちゃいますよね(>_<)
ネタバレを読んでいただければ、どこで歌われるのか、どのような意味があるのか、お分かりいただけます。
しかし「テレビを見て気になったから、場面と意味だけ知りたい!」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで本章では、
- 「命をあげよう」は『ミスサイゴン』のどの場面で歌われるのか?
- 「生まれたくないのに生まれ出た」「神の心のまま望むもの選ぶ」ってどういう意味?
といった疑問にお答えしていきます!
「テレビで聞いて気になった!」という方に参考にしていただければ幸いです(*^^*)
場面
*Miss Saigon in Japan*
Thuy’s Death (Rena Sasamoto as Kim)#MissSaigon pic.twitter.com/25BUKJOXG7— André Boehning (@musicalfanGER) October 26, 2017
場面→我が子を守るために元許嫁を殺した後
『ミスサイゴン』の劇中歌であるキムの楽曲「命をあげよう」は、息子・タムを守るために、許嫁であったトゥイを殺した後に歌われます。
流れを簡単に説明させていただきます。
キムはアメリカ兵(クリス)と結婚し、息子・タムを授かる
↓
親が決めた許嫁・トゥイは、タムを見て逆上
↓
トゥイはタムを殺そうとする
↓
タムを守るために、キムはトゥイを殺す
まさに「命をあげた」後に歌われる曲なわけです。
意味
What is the most intense scene from a show? Gavroche’s death from Les Mis? I’d Give My Life For You from Miss Saigon? Mufasa’s death from Lion King? Drop your answers below! pic.twitter.com/cmzivpNfZN
— NRV Summer Musical (@SMETHEATR) November 16, 2020
『ミスサイゴン』を観たことがない方は、「命をあげよう」を聞いても「何か子どものために歌ってるっぽいけど、所々意味が分からないな~」と思っちゃいますよね(>_<)
超簡単に説明すると、『ミスサイゴン』の「命をあげよう」は、
愛するクリスとの息子・タムに対し、「命をあげてでも幸せにする」と誓う決意のような歌
です!
歌詞の中で、私が観劇前に「どういうこと?」と思ったポイントもご紹介していきます(*^^*)
タムはどんな子?
『ミスサイゴン』の「命をあげよう」の冒頭で、キムはタム(クリスとの子)に歌いかけます。
タムは無口(劇中一言も話さない)で、わがままも言わないため、冒頭のように歌いかけているのでしょう。
何にも話さないので、タムが生まれたかったかどうかも分からないですよね。
しかし、キムがタムに話しかけるように歌っている冒頭の歌詞。
これは、タムが戦争後の苦しみや、差別される痛みを味わう立場だから、「生まれてきたいなんて、あなた(タム)は頼んでないのにね」といった意味になると言えるでしょう。
当時ベトナムでは、タムのようなアメリカ兵とベトナム人のハーフは、「敵であるアメリカ兵と付き合って子どもまでできた」ということで、母親も子どもも差別されていました。
そのため「戦争などの痛みを、あなたが味わなくていいように」という意味と取れますね。
キムのクリスへの想いは?置いて行ったことを恨んでる?
『ミスサイゴン』の「命をあげよう」で、クリスを想って歌う部分があります。
この部分を聞いた時、私は『レ・ミゼラブル』でファンティーヌが歌う「夢やぶれて」とちょっと似ていると思いました。
ファンティーヌの「夢やぶれて」といったように、「もう諦めてるのかな?」と思っていたのですが、キムは諦めてはいません。
自分を置いて行ったクリスのことを恨んでいませんし、クリスが迎えに来てくれると一途に信じ続けているのです。。。
サビの意味は?
『ミスサイゴン』の「命をあげよう」のサビの歌詞。
私は、
- 神の心て、どういうこと?
- 「選ぶ」ってキムが選ぶの?
と思っていたのですが、これは「あなた(タム)は天が与えるものを何でも選べるのよ」という意味になります!
「『天が与えるもの』って?」って感じですが、キムは若い頃に夜のお店に売られてしまっていましたよね。。。
そのため「十分な教育」「仕事を選べる環境」といった幸せのことを指しているのではないでしょうか。
クリスは誰かに取られたの?
『ミスサイゴン』の「命をあげよう」のラストの方。
「あの人」とはタムの父親であるクリスのことです。
クリスとは戦争のせいで離れ離れになったので、誰かに取られたわけではありません。
そのため「取られた」というより、「神さま、クリスを私のもとに連れてきて」という意味の方が正しいですね。
まとめ
2022.08.02M
『ミス・サイゴン』🇻🇳🚁@帝国劇場唯一の帝劇チケだったプレ初日とばして途方に暮れてた私に天のめぐみが…😭💕海宝クリス×屋比久キムの組合せ初回!!!!!✨
以下長文❤ネタバレ有❤ pic.twitter.com/uJANTF9Ldg— mie🇻🇳🚁🐬✨ (@i_my_mie0408) August 3, 2022
本記事では、ミスサイゴンあらすじネタバレを用語解説付きで紹介!命をあげようの場面は?と題して詳しくご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
『ミスサイゴン』は時代背景を知ると、より深く理解できますので予習・復習として活用いただければ幸いです(*^^*)
有名な曲である「命をあげよう」の場面や意味についても解説させていただきましたので、「テレビを見て気になった!」という方もぜひ参考にしてみてください!
それでは、ミスサイゴンあらすじネタバレを用語解説付きで紹介!命をあげようの場面は?を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
とても分かりやすかったです。観劇前にこちらを読めて本当に良かった。特にベトナム戦争について無知だったので勉強になりました。ありがとうございました。
他の方から指摘があったかもしれませんが、トゥイを守ろうとしてトゥイを撃ったとありました。
参考にしていただけて嬉しいです!
「タムを守ろうとして」でしたね(>_<) ご指摘ありがとうございます。 修正させていただきました。