今回は、光る君へ源氏物語オマージュまとめ!逃げた鳥は紫の上が元ネタ?と題してお届けします。
毎週日曜日20:00〜放送されている吉高由里子さん主演の大河ドラマ『光る君へ』。
脚本家の大石静さんは、主人公・紫式部が書いた『源氏物語』のオマージュが散りばめられているとおっしゃっていました!
本当に毎回散りばめられていて、『源氏物語』自体はお話に出てきていなくても、めちゃくちゃ楽しめますよね♪
しかし『源氏物語』にあまり詳しくない方は、「オマージュが散りばめられているらしいけど、どんなシーン?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、光る君へ源氏物語オマージュまとめ!逃げた鳥は紫の上が元ネタ?と題して詳しくご紹介していきます。
- 「オマージュが散りばめられているらしいけど、それはどこで、『源氏物語』ではどんなシーン?」と気になっている方
- 「『源氏物語』は全然知らないorちょっとしか知らないけど気になる!」という方
- 「『源氏物語』の登場人物とか全然知らないから、Xで『紫の上が〜』とかあっても分かんないんだけど(^_^;)」という方
基礎知識はこちらから♪
ぜひ、最後までお付き合いください(*^^*)
- 光る君へ源氏物語オマージュまとめ!逃げた鳥は紫の上が元ネタ?
- 鳥を逃がして出会う(1話)
- まひろが代筆した和歌(2話)
- 男子トーク(3話・7話)
- 五節の舞(4話)
- 猫きっかけで顔を見られる(5話・7話)
- 呪い(5話・8話・12話・14話)
- 禁断の恋&斎垣を越える(6話・34話)
- 家柄は良いが身分が低い男性×お姫さまの結婚(8話・12話)
- 身分の低い女性が琵琶を弾く(8話)
- 鳥辺野での亡骸(9話)
- 廃屋での逢瀬(10話)
- 月夜の逢瀬(10話)
- 禁断の逢瀬(10話)
- 一度きりの逢瀬と、別の女性(10話・12話・15話)
- 粗末な屋敷で余命わずかの女性の看病(10話)
- 1番愛しているが正妻ではない(11話)
- 死に際に出家&娘と会う(12話)
- 別れた夫のもとで育てられている娘(12話)
- 婿入りする夜に好きな女に会いに行く(12話)
- 幼い皇族と年上の女御の仲が良い(13話)
- 文で他の人との関係がバレる(13話)
- 雪遊び(16話)
- イケメン2人が天皇の前で舞う(16話)
- 正妻がいるけど、本命の看病(16話)
- 家来に様子を見に行かせる(17話)
- 悪いことをした人が出世後に死亡&親族が見舞い(18話)
- 無言の再会(18話)
- 廊下に撒きもので嫌がらせ(19話)
- 正妻が後ろから手紙を盗み見(20話)
- 愛する人の出家に嘆く(21話)
- 子どもと共に行く母(21話)
- 不安な船出(22話)
- テンの毛皮(23話)
- 地方まで会いに来た男性(23話)
- 夢で睨まれ、左遷先から召還(24話)
- 立ち場の弱い妃を溺愛(24話)
- 松浦国の鏡神社の歌(24話)
- 「河口」の歌(25話)
- 浮気男に灰を投げつける(26話)
- 感情に乏しい姫が正妻に(26話〜・28話)
- 不倫でできた子(27話)
- 藤壺と皇子(29話・33話・41話)
- 乳母が去る(29話)
- 扇の交換(30話)
- 粗末な服で好きな人に会いに行く(30話)
- 夫と別の女性との子を育てる(32話)
- 「帝も皇后も関白も出る」(32話)
- 物語論(35話)
- 斎院(35話)
- 幼い時に結婚した姫(35話)
- 宇治の川(42話)
- まとめ
光る君へ源氏物語オマージュまとめ!逃げた鳥は紫の上が元ネタ?
(光る君へ)
(まひろ)は妄想好きで、漢詩文の知識 教養が豊かな女性です。
中国の玄宗と楊貴妃の物語を熟読し、”私も こんな物語を書いてみたい”😍と 妄想し、その物語をオマージュして「源氏物語」第一帖 桐壺帝、桐壺更衣の物語が始まります。
原文にも(まるで玄宗みたい)と云う一文が出てきます。 pic.twitter.com/TfvdaueamC— のりたまご (@umMpnTm8LzeXYWx) January 27, 2024
脚本家・大石静さんは、
『源氏物語』自体は書きませんが、例えば、第1回の道長とまひろの出会いは、源氏物語のオマージュです。
また、女房たちのささやきも『源氏物語』から。
この先にも、あ、あれは……とわかる方にはわかるところがいっぱい出てきます。
紫式部の体験した出来事が、のちに作品に関わっていったかもしれない、というような散りばめ方をしています。
引用:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/fd2ca73a38de279c4da50fdf3a1b5cf4a4b90d9b
と、『光る君へ』には『源氏物語』のオマージュが散りばめられていると話されています!
毎回Xでは「〇〇のオマージュだ!」と話題になっていますが、『源氏物語』にあまり詳しくない方からすると「何だそりゃ?」状態ですよね(><)
そこで本記事では各回のオマージュまとめについて、『源氏物語』を読んだことがない方でも分かりやすいように解説していきます!
「Xで話題になっているけど、ついていけない(><)」という方に、参考にしていただければ幸いです(*^^*)
鳥を逃がして出会う(1話)
『光る君へ』
まひろ(紫式部)の飼っていた鳥が逃げてしまい、追った先で三郎(道長)と出会う。
『源氏物語』
紫の上が飼っていた雀の子を召使いが逃がしてしまい、泣きながら走っていた時に光源氏と出会う。
1話の紫式部と道長の出会いは、『源氏物語』の「若紫」の帖のオマージュになっています!
【帖とは?】
1巻・2巻〜の「巻」的なもの。
『源氏物語』は54巻で構成されている。
若紫は「紫の上」とも呼ばれる、光源氏の正妻格。
『源氏物語』の主人公・光源氏は、元カノが亡くなって深く悲しみ、病気になってしまいます。。。
病気が治るよう祈祷してもらいに山に行ったことろ、逃げた雀について嘆いてる若紫と出会ったのです!
若紫は光源氏の初恋相手そっくりで一目惚れしたため、その後、誘拐のように連れ去り、結婚したのでした(^_^;)
道長は光源氏と違って元気でしたが、出会うきっかけが同じですね!
今でいうと、パンをくわえて走っていたら出会っちゃった的な運命みたいだと思いました(笑)
まひろが代筆した和歌(2話)
寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔
意味:「近くに来て、はっきりご覧になったらいかがですか?黄昏の時にうっすら見えた夕顔の花を」
『光る君へ』
まひろ(紫式部)が代筆した和歌
『源氏物語』
夕顔から、「あなたはもしかして光源氏ですか?」という歌を贈られ、光源氏が返したのがこの歌
2話のまひろが代筆した和歌は、『源氏物語』の「夕顔」の帖のオマージュになっています!
夕顔は、光源氏が中流の女性に興味を持っていた時に出会った、中流の「あざとい系女子」。
ある日、光源氏が町はずれに立ち寄った際、粗末だが花の美しい屋敷があり、近寄ると、儚げで可憐な「夕顔」がいました。
夕顔から「あなたは光源氏さまですか?」と聞かれ、光源氏は上記の歌を贈ったのです。(「会ってみませんか?」という意味)
身分が違う(光源氏は帝の子、夕顔は中流の女性)ため、光源氏は正体を隠しながら、夕顔のもとに通いました。
代筆を頼みに来た男性は、自分より身分が高い女性に恋をしているという設定でした。
男性と女性の身分が反対ですが、「身分違いの恋をしている時の歌」というのは共通していますね!
身分の高い光源氏が正体を隠しながら中流の女性に会っていたのは、まひろと道長も彷彿とさせます♡
男子トーク(3話・7話)
『光る君へ』3話
宿直中、
- 道長(柄本佑)
- 公任(町田啓太)
- 斉信(はんにゃ金田)
が、公任がもらった恋文をもとに恋バナをしていた。
【宿直とは?】
宮中や役所・貴族の邸宅の警備のため、宿泊勤務をする役目のこと。
『光る君へ』7話
打毬の後に雨が振り、着替えながら
- 道長(柄本佑)
- 公任(町田啓太)
- 斉信(はんにゃ金田)
- 直秀(毎熊克哉)
が、「結婚は家柄のいい女として、好きなった女の所に通う」「為時の娘(まひろ)は家柄が良くないからダメ」などと、品定めトークをしていた。
『源氏物語』
梅雨の時期のある雨の夜、宿直所で、
- 光源氏
- 悪友・頭の中将
- 他2人
が恋バナをした夜のことで、「雨夜の品定め」と呼ばれている。
3話・7話の男子トークは、『源氏物語』の「帚木」の帖のオマージュになっています!
17歳になった光源氏のもとに、悪友・頭の中将らが訪ねてきて、それぞれの女性経験をもとに恋バナをします(^_^;)
恋人にするなら中流の女!中流の元カノは良い子で子どももできたんだけど、妻から嫌がらせされて行方が分からないんだよな〜。。。」
頭の中将「頭の中将の元カノは、後に夕顔(2話のオマージュ元)だったって明らかになるよ!
知らなかったとはいえ、光源氏は親友の元カノに手を出しちゃったんだね(笑)
他2人「妻として完全な女はいないが、謙遜している女性がいい」「博士の女と話した時に、口がニンニク臭かった」
といった、まさに「品定め」トークをするのです(^_^;)
光源氏は基本的に聞いているだけだったので、
- 光源氏=道長
- 頭の中将=公任
というオマージュだったのだと思われます!
女子会でも元カレの悪口とかを言うことはありますが、逆に「こういう男がいいよ」的なことはあまり言わないので、男子トークは新鮮ですね(^_^;)
光源氏が「雨夜の品定め」に影響を受け、中流の女(夕顔)に手を出したことも、道長とまひろを彷彿とさせます!
3話の男子トークをまひろは聞いていなかったので、7話で聞いた男子トークを思い出しながら「雨夜の品定め」のシーンを書いたという設定にするのかもしれませんね(><)
五節の舞(4話)
『光る君へ』
五節の舞で、まひろが五節の舞姫として舞う。
その後、同じく舞姫を務めた倫子(黒木華)サロンの1人が、富はあるが四角い顔の男性に言い寄られる。
【五節の舞とは?】
- 大嘗祭(天皇が皇位継承した時に行う皇室行事)
- 新嘗祭(その年に収穫された穀物を天皇が神に供え、自らも食べる儀式)
の後に行われる饗宴・豊明節会において、歌謡に合わせて未婚の女性4〜5人で舞うこと。
『源氏物語』
光源氏は、腹心の部下であり乳母子である藤原惟光の娘・藤典侍を五節の舞姫にする。
光源氏の息子・夕霧は藤典侍を気に入り、恋文を出した。
【乳母子】
母親に代わり、高貴な子どもを養育する女性=乳母。
「乳母子」は乳母の実の子ども。
4話の五節の舞は、『源氏物語』の「少女」の帖のオマージュになっています!
光源氏の息子・夕霧(12歳)は、前述の男子トークにも登場した悪友・頭の中将の娘、雲居の雁と恋仲でした♡
しかし頭の中将は「お前ら何してんだ!別れろ!!」と激怒し、2人は離れ離れに・・・
そんな傷心の中で参列した「五節の舞」にて、夕霧は五節の舞姫だった藤典侍に一目惚れ!
その後、藤典侍は夕霧の側室になったのです。
- 五節の舞が描かれたこと
- 五節の舞姫と、富のある貴族が恋仲になったこと
がオマージュになっていますね♪
『光る君へ』の方が衝撃的でドロドロの五節の舞でしたが、恋愛面でいえば『源氏物語』もなかなかのドロドロ具合です(笑)
猫きっかけで顔を見られる(5話・7話)
『光る君へ』5話
- 関白・藤原頼忠(公任の父)
- 左大臣・源雅信(益岡徹)
- 右大臣・兼家(段田安則)
が左大臣家・土御門殿で飲んでいる時。
倫子(黒木華)が猫を追って彼らの前を通り、兼家たちに顔を見られる。
兼家はその後、息子・道長(柄本佑)に倫子との結婚を勧める。
『光る君へ』7話
打毬の後、倫子の猫・小麻呂が逃げてしまい、まひろが探しに行くことに・・・
そこで、公任や道長たちの女性品定めトーク(「雨夜の品定め」のオマージュ)を聞き、自分は道長と身分が違うと実感。
『源氏物語』
光源氏の2番目の正妻・女三の宮はある時、猫が飛び出したせいで、光源氏の悪友・頭の中将の息子、柏木に顔を見られてしまう。
恋に落ちた柏木は女三の宮と不倫し、女三の宮は妊娠&出産。
5話・7話の猫がきっかけで顔を見られた(トラブルになった)シーンは、『源氏物語』の「若菜上」の帖のオマージュになっています!
頭の中将の息子・柏木は、元天皇の第三皇女・女三の宮と結婚したいと願っていました。
しかし元天皇は、光源氏に自分の娘を正妻にするように頼み、光源氏と女三の宮が結婚。
それでも柏木は、女三の宮のことを想い続けていました。
光源氏の邸宅・六条院で行われた蹴鞠のイベントの日。
飛び出してきた猫のせいで、柏木は御簾の奥にいた女三の宮の顔を見てしまい、余計に女三の宮LOVEになってしまったのです(><)
その後、柏木は女三の宮(光源氏の正妻)と不倫し、妊娠させてしまったのでした(^_^;)
見た本人が恋に落ちたか、父親が見て息子に勧めたかの違いはありますが、猫きっかけで顔を見たことが結婚(柏木の場合は不倫)に繋がったことは共通していますね!
ただ見られた側の女三の宮は笑わない姫だったので、その点は倫子と大きく異なります。
7話では、まひろは顔を見られたわけではありませんでしたが、
蹴鞠のイベントの日(光る君へでは打毬)
猫のせいで、トラブルになる(源氏物語→不倫&妊娠、光る君へ→身分の差を思い知る)
という点がオマージュになっていますね。
『源氏物語』のトラブルはドロドロですが、『光る君へ』は切なすぎます(><)
呪い(5話・8話・12話・14話)
『光る君へ』(5話)
六条で道長を待っていたまひろ。
道兼と母親のことを話し、「道兼を呪う」と言う。
『光る君へ』8話
兼家に呪詛された花山天皇の妻・忯子(井上咲楽)が兼家を呪い、怨霊として登場。
『光る君へ』12話
源明子(瀧内公美)が、「兼家を呪う」と発言。
『光る君へ』14話
源明子(瀧内公美)が兼家を呪って殺害。
『源氏物語』
光源氏が正体を隠して夕顔と会っていた際、別の愛人・六条の御息所の生霊が現れ、夕顔を呪って殺害する。
5話・8話・12話・15話の呪いは、『源氏物語』の「夕顔」の帖のオマージュになっています!
光源氏の愛人であった・六条の御息所。
しかし光源氏は、前述の「まひろが代筆した和歌(2話)」の章でご紹介した「夕顔」(中流階級の女性)に夢中に(><)
光源氏と夕顔が会っているその時、六条の御息所は嫉妬で生霊を飛ばし(無自覚)、夕顔を呪って殺害したのです(><)
夕顔は中流階級の女性であり、光源氏とは粗末な屋敷で会っていました。
まひろと道長が会っていたのも、廃墟のようなボロ家でしたよね。
六条の御息所が生霊で呪った夕顔は実際に亡くなっていますし、まひろが「呪う」と言った道兼は、995年に亡くなります。
- 「六条」という単語
- ボロ家で会っていたこと
- 「呪う」という発言
- 実際に、恨んだ相手が亡くなったこと
がオマージュになっていると思われます!
また8話では、呪詛されてお腹の子と共に亡くなった忯子が、怨霊として登場し、兼家を呪いました。
兼家は990年に死亡するので、夕顔のようにすぐに亡くなるわけではありませんが、「霊が呪って病になる」というのはオマージュになっていると思われます。
そして11話〜登場している道長のもう1人の妻・明子(瀧内公美)。
明子は「兼家を呪う」と発言しており、実際に15話では呪詛で兼家を殺害し、その呪詛で同時に自分のお腹の中にいる子どもも亡くしてしまったのです。。。
実際に生きた人間の呪いで人が死んでいますので、ガッツリ六条の御息所のオマージュになっていますね。
明子の父親が失脚した事件に兼家が関与したとされているため、明子は兼家を恨んでいるということで、六条の御息所とは恨んでいる理由が異なるのですが・・・
実際、明子役の瀧内公美さんは出演が発表された際、以下のようなコメントを出しています!
制作者の皆さまからは、役柄のヒントは源氏物語でいう“六条御息所”と、現段階では言われております。
引用:https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=37940
制作陣からも「六条の御息所」と言われているということは、「明子のモデルは六条の御息所」として描かれているということですね!
史実では兼家の死因は病死(享年62)であり呪われたわけではありませんが、ドラマの展開としては面白かったです!
兼家への復讐を果たした明子の心は満たされたのか、それとも空っぽになってしまったのか、今後どんな気持ちを抱くのかも気になります(><)
禁断の恋&斎垣を越える(6話・34話)
『光る君へ』6話
道隆(井浦新)が開催した漢詩の会に、
- 道長
- 公任(町田啓太)
- 斉信(はんにゃ金田)
- 行成(渡辺大知)
らが参加。
その後、道長がまひろに
「ちはやぶる 神の斎垣も 越えぬべし 恋しき人の みまく欲しさに」
という歌を贈る。
意味:「神社の神聖な垣も超えてしまいそうです。恋しいあなたを見たくて」
『光る君へ』34話
まひろが「惟規には身分の壁を越えてほしい」と言うと、惟規は「神の斎垣を越えるかも」と言った。
『源氏物語』
光源氏が暇な博士たちを集めて漢詩会を開き、
左大臣派(光源氏たち)VS右大臣派
に別れて対決をし、左大臣派が勝って、光源氏は絶賛された。
また、六条の御息所と別れる時、
光源氏「変らぬ色をしるべにてこそ、斎垣も越えはべりにけれ。さも心憂く」
六条の御息所「神垣は しるしの杉も なきものを いかにまがへて 折れるさかきぞ」
というやり取りをする。
意味↓
光源氏「変わらない心に導かれ、神社の神聖な垣も越えてやって来ました。それなのに何と薄情な・・・」
六条の御息所「垣の中には目印になる杉もありませんのに、一体何と間違って、何目的で、何を企んでその榊を折ったのですが?」
6話・34話の「斎垣を越える」は、『源氏物語』の「賢木」の帖のオマージュになっています!
光源氏の愛人であった六条の御息所。
前述の通り六条の御息所は無自覚で生霊を飛ばし、光源氏の愛人を呪って殺害していたのですが・・・
「もしかして自分が呪っていたのかも!?」と気づき、京都を離れることにします。
六条の御息所との別れ際、光源氏はずっと会っていなかった気まずさから、
「変らぬ色をしるべにてこそ、斎垣も越えはべりにけれ。さも心憂く」
意味:「変わらない心に導かれ、神社の神聖な垣も越えてやって来ました。それなのに何と薄情な・・・」
と、榊の小枝を渡しますが・・・六条の御息所には、
「神垣は しるしの杉も なきものを いかにまがへて 折れるさかきぞ」
意味:「垣の中には、目印になる杉もありませんのに、一体何と間違って、何目的で、何を企んでその榊を折ったのですが?」
と、冷たくあしらわれてしまいます(^_^;)
超訳すると、「私は『杉を目印に来てね』なんて誘ってないのに、何と間違って来たの?榊なんて渡されても迷惑なんですけど」という感じでしょうか。
「斎垣も越え」という部分を、道長・惟規も使っていましたね!
「斎垣(神社の神聖な垣)」という言葉は、平安時代に成立した主人公の恋愛を中心とする歌物語『伊勢物語』の、
「ちはやぶる 神の斎垣も 越えぬべし 大宮人の 見まくほしさに」
意味:「神社の神聖な垣も超えてしまいそうです。宮中に仕える役人をひと目見たくて」
から来ています。
続いて6話で道長が参加した「漢詩の会」のオマージュ元について。
光源氏の最初の正妻は左大臣の娘だったため、光源氏は左大臣派。
光源氏は敵である右大臣派と漢詩の会で競い合い、見事右大臣派を打ち負かします!
しかし光源氏は、右大臣(敵)の娘・朧月夜に手を出してしまい、これをネタに謀反の罪を捏造されてしまうのです(^_^;)
という言葉 「斎垣も越え(神社の神聖な垣も越え)」
漢詩の会
禁断の恋(光源氏と朧月夜、まひろと道長、惟規と身分が高い女性)
がオマージュになっていますね!
姉弟揃って身分違いの禁断の恋をするなんて切ないですね〜
家柄は良いが身分が低い男性×お姫さまの結婚(8話・12話)
【光る君へ】
倫子(黒木華)の結婚話の時、父・源雅信が「道長はまだ位が低い」と反対していた。
しかし、12話で結婚を認める。
【源氏物語】
- 光源氏の息子・夕霧
- 光源氏の悪友(頭の中将)の娘・雲居の雁
は恋仲だったが、頭の中将は「夕霧の身分が低い」と理由で2人の仲に反対していた。
しかし結局、雲居の雁が行き遅れたこともあり、夕霧と雲居の雁の結婚を認める。
8話・12話の道長と倫子の結婚話は、『源氏物語』の「少女」の帖のオマージュになっています!
前述の「五節の舞」の章の通り、
- 光源氏の息子・夕霧
- 光源氏の悪友(頭の中将)の娘・雲居の雁
は恋仲でした。
夕霧は時の権力者・光源氏の息子だったのですが・・・
光源氏は敢えて夕霧の位を上げず、低い地位に留めて苦労をさせていました。
光源氏の悪友・頭の中将は権力を得るため、雲居の雁を東宮(皇太子)の妃にするつもりでしたが、地位の低い夕霧と恋仲になっていたため激怒!
「位の低いお前に娘はやれん!」と、2人を離れ離れにさせたのです(><)
しかし結局、雲居の雁は東宮には嫁げず、行き遅れたこともあり、宴の席で頭の中将は夕霧&雲居の雁の結婚を認めるのです!
男性側の身分が低い」という理由で、女性側の父親が結婚に反対したこと
「家柄は良いが、女性側が嫁ぎ遅れていたこと
女性側の父親は当初、娘を天皇に嫁がせたいと思っていたこと
女性側は左大臣家(頭の中将は左大臣の嫡男)であり、男性側の家は政敵(光源氏と頭の中将は親友だが、頭の中将が嫁がせたかった皇太子に光源氏が娘を嫁がせたため、政敵でもある)
結婚を認めること
結局、がオマージュになっていますね!
夕霧&雲居の雁は両想いでしたが、道長は倫子に気持ちは全くありません(^_^;)
しかし家の関係や女性側の事情については、ガッツリオマージュになっていますね。
身分の低い女性が琵琶を弾く(8話)
【光る君へ】
下級貴族の娘・まひろが、道兼の前で琵琶を弾いた。
【源氏物語】
光源氏の邸宅・六条院で演奏会が開かれ、光源氏の妻や娘たちが、それぞれ、
- 女三の宮→琴
- 紫の上→琴
- 明石の御方→琵琶
- 明石の姫君→箏
を演奏した。
8話でまひろが琵琶を弾いたことは、『源氏物語』の「若菜下」の帖のオマージュになっています!
お正月、光源氏の邸宅・六条院で女性たちによる華やかな演奏会が開かれます。
を演奏しました。
明石の御方は、光源氏が自主謹慎で須磨の地(今の兵庫)に行った時に出会った「田舎の美人」。
明石の御方が産んだ明石の姫君は、東宮(皇太子)に入内(結婚)しました。
明石の御方も光源氏の愛人の1人ですが、
- 女三の宮→元天皇の娘
- 紫の上→元光源氏の正妻格&貴族の父を持つ
- 明石の姫君→東宮の妻
と、明石の御方が1番身分が低いです。
そんな明石の御方が弾いた琵琶は、「明石の御方は特別上手で、神々しく澄み切った美しい音色だった」と評されていました!
身分が低い
まひろも、後に道長の正妻になる倫子より「琵琶の腕が素晴らしい」と評されていた
生真面目、和歌や音楽にも優れており、紫の上が光源氏の愛人の中で最も脅威を感じた存在)
明石の御方の特徴(といった点がオマージュになっていますね!
琵琶を弾いたということ以外にも、明石の御方の能力や性格的なものも、まひろに近いものがあると思います(*^^*)
鳥辺野での亡骸(9話)
【光る君へ】
散楽の直秀たちが、鳥辺野で検非違使に殺害される。
まひろと道長が埋葬し、遺体のそばで泣き崩れた。
【源氏物語】
夕顔が亡くなった際、光源氏は周囲が止めたにも関わらず、夕顔が埋葬される鳥辺野に行き、
「もう一度声だけでも聞かせてください」
と、声も惜しまず際限なく泣いた。
9話で直秀が鳥辺野で殺害され、まひろと道長が埋葬したことは、『源氏物語』の「夕顔」の帖のオマージュになっています!
2話・5話・8話のオマージュ元にもなっている、中流の「あざとい系女子」・夕顔。
前述の通り、夕顔は光源氏の愛人の1人・六条の御息所が嫉妬のあまり無自覚で飛ばした生霊に殺害されてしまいます。。。
夕顔の遺体は、鳥辺野に葬られることとなりました。
当時、死は「穢れ」とされており、死人の顔され見ることはできませんでした。
【「死は穢れ」とは?】
「死者に触れると、自分に災厄が降りかかる」と貴族たちは考えていた。
そのため、夫や妻が亡くなっても顔を見ることはできなかった。
光源氏も「穢れ」という理由から、夕顔の遺体を見ることを止められましたが、「もう一度亡骸を見ないと心残りだ」と言い、鳥辺野に向かいます。
夕顔の遺体の顔は美しく可憐で、生きていた時と少しも変わっていませんでした。
光源氏は夕顔の手を握り、
「もう一度声だけでも聞かせてください。少しの間だったが、夕顔のことをとても愛おしいと思ったのに、あなたは私を残して逝ってしまった」
と、声も惜しまずに際限なく泣いたのでした。。。
道長のせいで、大切な人(直秀)が亡くなった(光源氏の場合、愛人の六条の御息所をほっといて夕顔に傾倒したから)
鳥辺野に葬られた
遺体は「穢れ」を承知で故人を悼んだ
泣き崩れた
遺体のそばでといった点がオマージュになっています。
光源氏の場合、「お前が他の愛人をほっといたからだろ!」と言いたくもなりますが、道長のせいで直秀たちが亡くなったとは思いません。。。
そして後に、道長も鳥辺野で火葬されことになるのでした。。。
廃屋での逢瀬(10話)
【光る君へ】
まひろと道長は「六条」という廃屋で一夜を共にする。
【源氏物語】
夕顔は中流階級の女性であり、廃屋で光源氏と関係を持った。
10話でのまひろと道長の廃屋の逢瀬は、『源氏物語』の「夕顔」の帖のオマージュになっています!
2話・5話・8話・9話のオマージュ元にもなっている、中流の「あざとい系女子」・夕顔。
光源氏は「2人きりになりたい」と思い、寂れた某院(六条河原院がモデルとされる)に夕顔を連れ込み、一日戯れるのでした。
【六条河原院とは?】
第52代天皇・嵯峨天皇の第十二皇子・源融の旧邸宅。
広大な敷地で、源融の死後、子どもが相続したり、お寺になったりしたが、数度の火災で荒廃した。
廃屋での逢瀬
「六条」
廃屋の場所が身分違いの男女の逢瀬
超上流貴族と、中流階級の女性(まひろは下級貴族)という、といった点がオマージュになっています。
「廃屋で一夜を共にするなんて、ちょっと嫌だな〜しかも初めてなんて」と思っちゃうんですが、本人たちはそんなの気にしないのが恋の恐ろしいところですよね〜(笑)
月夜の逢瀬(10話)
【光る君へ】
まひろにとって道長は、母の仇である道兼の弟。
そんな男性と、月の光に照らされながら、一夜を共にする。
【源氏物語】
月の綺麗な夜、光源氏は朧月夜と一夜を共にする。
後に、朧月夜は右大臣(敵)の娘であることが分かる。
※光源氏は左大臣派
10話でのまひろと道長の月夜の逢瀬は、『源氏物語』の「花宴」の帖のオマージュになっています!
右大臣の娘であり、いわゆる「敵の女」・朧月夜。
月の綺麗な夜、光源氏は朧月夜と出会い、朧月夜の正体を知らないまま一夜を共にします。
しかし、その後、朧月夜が右大臣の娘であり、光源氏の敵の立ち場だと明らかになるのです(><)
月夜の逢瀬
家族は敵同士(『源氏物語』→左大臣VS右大臣、『光る君へ』→道兼はまひろ母の仇)
といった点がオマージュになっています。
その後、朧月夜との関係がバレ、光源氏は自主謹慎で須磨の地(今の兵庫)に行くのですが・・・
『光る君へ』でまひろと道長の関係がバレた場合、まひろ側が地方に行くという設定にするのかもしれませんね。
禁断の逢瀬(10話)
【光る君へ】
身分違いの2人が、一夜を共にする。
道長は、まひろLOVEであり、まひろも道長を愛しているが、まひろは「道長と一緒になってはいけない」と思っている。
【源氏物語】
光源氏は、義理の母である藤壺と一夜を共にする。
10話でのまひろと道長の禁断の逢瀬は、『源氏物語』の「若紫」の帖のオマージュになっています!
光源氏の母そっくりな、光源氏の初恋相手・藤壺。
藤壺は、光源氏の父・桐壺帝(天皇)の後妻であり、光源氏にとっては義理の母に当たります。
光源氏は藤壺LOVEであり、18歳の時、藤壺の部屋に忍び込み、一夜を共にするのです(^_^;)
2人は想い合ってはいたものの、藤壺は「この関係は1度きり」と思っていて、その後は光源氏からの文も拒否していたのですが・・・
なんと藤壺は妊娠してしまうのです(><)
禁断の関係
女性側は「相手を愛しつつ、これはいけない関係だ」と思っていたが、男性側に強く想われ、受け入れる
といった点がオマージュになっています。
まひろが藤壺のように妊娠してしまうなんてことはないとは思いますが、まひろは後に宣孝と結婚し、娘も誕生します。
まひろと道長が今後も逢瀬を重ね、まひろの子を道長との子という設定にしたりしたら、めちゃくちゃドロドロで面白いですよね〜
一度きりの逢瀬と、別の女性(10話・12話・15話)
【光る君へ】10話・12話
まひろと道長は一夜を共にしたが、まひろは今後、男女の関係は拒みそう。
そして12話で、道長はまひろに会った直後、倫子(黒木華)に会いに行って一夜を共にする。
【光る君へ】15話
石山詣の際、道綱(上地雄輔)が夜、まひろと一夜を共にしようとやって来るが、寝室にいたのは、さわだった(^_^;)
道綱は「間違えた!すまぬ!!」と言い、そのまま帰る。
【源氏物語】
光源氏は中流階級ブームの時、人妻&中流階級の空蝉と一夜を共にする。
しかし空蝉はその後、「身分の低い人妻だから」と、光源氏の誘いを断る。
光源氏は、忍び込んだ部屋にいた空蝉の義理の娘・軒端の荻と一夜を共にする。
10話・12話・15話での、
- まひろと道長の一度きりの逢瀬
- すぐに他の女のもとに行ったこと
- 道綱が襲いに行ったら別人だったこと
は、『源氏物語』の「帚木」の帖のオマージュになっています!
前述の男子トーク(雨夜の品定め)で、中流階級ブームになった光源氏。
雨夜の品定めの翌日、中流階級の女性と会うチャンスがあり、中流階級の人妻・空蝉と強引に一夜を共にします。
その後も光源氏は文を送り続けたり、もう一度屋敷に忍び込んだりしたのですが、空蝉は衣を一枚残して逃げ去ったのでした。。。
光源氏が忍び込んだ部屋には、空蝉の義理の娘・軒端の荻がいたため、光源氏は「あなたに会いに来ました」と言い、軒端の荻と一夜を共にしたのです(^_^;)
『光る君へ』10話・12話でのまひろ&道長&倫子は、
- まひろ→空蝉
- 道長→光源氏
- 倫子→軒端の荻
であり、
身分違いの恋
惹かれつつ拒む
女性側も惹かれてはいるが、男性側が文を送り続ける
すぐに他の女性と一夜を共にする
女性にフラレた後、といった点がオマージュになっています。
そして、『光る君へ』15話の石山詣の夜のまひろ&道綱&さわは、
- まひろ→空蝉
- 道綱→光源氏
- さわ→軒端の荻
であり、
忍び込んだ部屋にいたのは、狙っていた女とは別人だった(^_^;)
男性側には、正妻も妾もいる(光源氏には、この時点で正妻→葵の上、愛人→六条の御息所がいた)
女性の方が身分が低く、男性の方高い
といった点がオマージュになっています。
光源氏は、軒端の荻に「あなたに会いに来ました」と言い、ちゃっかり襲っていますが、道綱は引き返したので、道綱は光源氏ほどクズではありませんでしたね(笑)
空蝉のモデルは、境遇や身分が似ていることから紫式部自身ではないかと言われています。
そのため道長との庚申待の夜も、石山詣の夜も、まひろはいつも空蝉ポジションになっているんですね。
粗末な屋敷で余命わずかの女性の看病(10話)
【光る君へ】
まひろの父・為時(岸谷五朗)は粗末な屋敷で、余命わずかの女性(妾?)の看病をしていた。
【源氏物語】
光源氏は、
夕顔が亡くなった際、世話をした
荒れた屋敷に住むブスな女・末摘花を、生活面で援助した
10話で為時が余命わずかの女性の看病をしたことは、『源氏物語』の「夕顔」「末摘花」の帖のオマージュになっています!
前述の通り、中流の「あざとい系女子」・夕顔は、寂れた屋敷にいる際、六条の御息所の生霊によって殺害されてしまいます。
この時代、死は「穢れ」とされていましたが、光源氏は、
夕顔が生霊を怖がった際、人を起こしてくれた
「生き返ってください」と声をかけた
家来が来るまで、夕顔の亡骸のそばで待っていた
と、亡くなった夕顔の面倒を見ました。
夕顔の帖と『光る君へ』については、
女性の方が身分が低い
余命わずか(夕顔の場合は既に亡くなっている)の女性の面倒を見る
寂れた屋敷で亡くなる
「こんなに殿が執着するのは、たいそう魅力的な女性だろう」と言い、2人が会っている居場所を突き止めた
家来がといった点がオマージュになっています。
夕顔は早死しましたが、為時の妾はそんなに若いわけではないと思います。
しかし身分の差や、穢れを気にせずに看病する点は同じですね。。。
そして、末摘花。
末摘花は、皇族の一人娘だが、後ろ盾である父親を早くに亡くして困窮し、荒れた屋敷に住んでいるブスな女。
光源氏は顔を見ないまま末摘花と一夜を共にしますが、翌朝顔を見てビックリ(^_^;)
気の毒に思った光源氏は、末摘花を生活面で援助するのです。
末摘花の帖と『光る君へ』については、
荒れた屋敷に住んでいる
生活面で援助している
一度は関係を持った(為時については妾だったと思うからおそらく)が、現在はといった点がオマージュになっています。
為時の妾はブスではありませんでしたが、荒れた屋敷に住んでいる女性を生活面で援助しているのは同じですね。
1番愛しているが正妻ではない(11話)
【光る君へ】
道長は「まひろが1番だ」と言っているが、「正妻(北の方)ではなく、妾になってくれ」と言う。
【源氏物語】
光源氏の最愛の妻・紫の上は正妻ではなく、「正妻格」だった。
11話で道長が「1番はまひろだが妾になってくれ」と言ったことは、『源氏物語』の光源氏と紫の上の関係のオマージュになっています!
1話のオマージュ元でもある、光源氏の最愛の妻・紫の上。
光源氏の妾以外の正妻歴としては、
1番目の正妻は葵の上(左大臣の娘)
葵の上の死後、紫の上が「正妻格」
2番目の正妻は女三の宮(元天皇の第三皇女)
という順番になっています。
当時は親が決めた相手と結婚し、その相手が正妻で、その他は愛人でした。
葵の上が亡くなった後も、紫の上とは親の同意を得た結婚ではないため「正妻格」という扱いだったのです。
紫の上は、光源氏が元天皇の頼みで女三の宮(元天皇の第三皇女)と結婚したことにより、正妻の地位まで奪われてしまったのでした。。。
偉い人(元天皇)に頼まれ、紫の上よりも権力を取ったんだね。。。
紫の上については、この記事で詳しく解説してるよ!
1番愛しているが、正妻にはできない
女性のほうが身分が低い
猫好きの女性が正妻になる
といった点がオマージュになっています。
前述の通り、光源氏の2番目の正妻・女三の宮は猫を飼っていました。
『光る君へ』では、猫を愛している倫子(黒木華)が道長と結婚します。
紫の上と女三の宮にも交流はありましたので、その点も似ていますね(><)
死に際に出家&娘と会う(12話)
【光る君へ】
まひろの父・為時(岸谷五朗)が看病していた妾・なつめの死に際、出家させてあげ、娘・さわと会わせてあげた。
【源氏物語】
紫の上の体調が悪くなった際、光源氏は出家を許さなかったが、亡くなる前に仏事を催した。
そして死に際、紫の上は光源氏に見守られ、育ての娘・明石の中宮(昔の名前は明石の姫君)に手を取られながら息を引き取った。
12話で為時がなつめの死に際に出家させ、娘にも会わせたことは、『源氏物語』の「御法」の帖のオマージュになっています!
1話などのオマージュ元でもある光源氏の最愛の妻・紫の上。
紫の上は5話などのオマージュ元である六条の御息所の亡霊に祟られ、倒れてしまいます。。。
その後も体調は優れず、紫の上は出家を望んでいましたが、光源氏は許しません。
出家は許してくれませんでしたが、亡くなる約半年前に紫の上の供養を執り行いました。
その後、さらに容態が悪くなった紫の上。
紫の上が育てていた、光源氏と明石の御方(8話のオマージュ元)の娘・明石の中宮(昔の名前は明石の姫君)もお見舞いに来ます。
その直後に紫の上の容態が急変し、紫の上は光源氏に見守られ、育ての娘・明石の中宮に手を取られながら息を引き取ったのです。。。
死に際の女性のために仏事を行う
死に際に娘に会わせてあげる
といった点がオマージュになっています。
為時は出家させてあげていましたが、光源氏は出家を許しませんでしたね。。。
それでも娘に手を取られながら息を引き取ったため、なつめも紫の上も幸せな最後だったのではないでしょうか。。。
紫の上には子どもがいなかったから、「光源氏の子を育てられる!」と喜んでたんだよ
別れた夫のもとで育てられている娘(12話)
【光る君へ】
まひろの父・為時(岸谷五朗)が看病していた妾・なつめ娘のさわは、
- なつめ
- 別れた夫(為時とは別人)
の娘であり、別れた夫のもとで育てられている。
【源氏物語】
玉鬘は、
- 光源氏の元カノ・夕顔
- 光源氏の悪友・頭の中将
の娘であり、光源氏の養女になった。
別れた夫のもとで育てられている娘・さわは、『源氏物語』の玉鬘のオマージュになっています!
光源氏の悪友の娘で、平安のシンデレラガール・玉鬘。
前述の通り、中流の「あざとい系女子」・夕顔は、光源氏の悪友・頭の中将の元カノ
↓
夕顔と頭の中将の間に生まれた娘=玉鬘
↓
夕顔は頭の中将の正妻に脅され、姿を隠す(><)
↓
その時に光源氏と出会い、前述の通り、夕顔は六条の御息所の呪いで死亡
↓
身寄りのない玉鬘は幼少期に九州に行き、そこで美しく成長♡
↓
地元の権力者に無理に求婚され、京都に帰ってくる(><)
↓
京都で夕顔の侍女(現在は光源氏に仕えている)に再会し、光源氏の養女として引き取られる!
↓
多くの貴族の男性からモテモテになるが、髭黒というクマみたいな男性に無理やり襲われ、そのまま結婚(><)
↓
子どもも授かり、襲われた割に幸せな家庭を築く
要は、
「親友と元カノの娘を光源氏が養女にして、田舎娘がモテモテのシンデレラガールに!
クマみたいな男に襲われちゃったけど、意外と幸せになれたよ♪」
って感じかな
別れた夫(『源氏物語』の場合は元カレ)のもとで育てられている
本当の母親は身分が高くない
本当の母親は亡くなっている
娘が九州に行く
といった点がオマージュになっています。
さわの人物説明には「やがて父親の九州赴任についていく」と書かれています。
もし、さわが玉鬘オマージュであれば、
- 本当の父親は身分が高い
- いずれ京都に帰ってくる
- クマみたいな男性と結婚する
という展開があるかもしれませんね!
婿入りする夜に好きな女に会いに行く(12話)
【光る君へ】
道長は倫子(黒木華)と初めて一夜を共にする前、まひろに会いに行っていた。
【源氏物語】
光源氏の孫・匂宮は、正妻になる六の君と結婚する前に、愛している側室格・中君に会いに行った。
12話で、道長が正妻になる倫子と結婚する前、まひろに会いに行ったことは、『源氏物語』の「宿木」の帖のオマージュになっています!
- 帝
- 明石の中宮(光源氏と明石の御方の娘)
の息子・匂宮(=光源氏の孫)。
匂宮は山奥で出会った美人姉妹の妹・中君と恋に落ちて結婚!
↓
しかし中君は身分が高くないため「側室格」扱い(><)
↓
匂宮は帝の息子(=皇子)であり、時期皇太子であるため、権力者の娘と結婚しなければならない(><)
そこで、
- 夕霧(光源氏と最初の正妻・葵の上の息子)
- その側室
の娘である六の君を正妻にすることに・・・
↓
匂宮と六の君の結婚当日、匂宮はまっすぐ六の君(正妻)のもとに行く予定だったが、その前に中君(好きな女)に会いに行く(><)
↓
しかし六の君が可愛かったため、匂宮は次第に中君から心変わりしてしまった(^_^;)
要は、
「結婚する前に本当に好きな子に会いに行ったんだけど・・・
正妻が結構可愛かったんだよね〜(//∀//)」
って感じかな(^_^;)
正妻に婿入りする前、本当に好きな女性に会いに行く
女性側の身分が低いため、正妻にはできない
正妻になる女性が美人だった
といった点がオマージュになっています。
匂宮は外出禁止令が出ている時にも無理やり中君に会いに行くくらい好きだったのですが・・・
心変わりって残酷ですよね(><)
道長は倫子との間に6人の子をもうけ、ほとんど毎日行動を共にしていたということなので、匂宮のように心変わりしてしまう期間があるのかもしれません。。。
幼い皇族と年上の女御の仲が良い(13話)
【光る君へ】
10歳の一条天皇に、13歳の定子(高畑充希)が入内(結婚)。
仲睦まじく遊ぶ。
【源氏物語】
天皇の息子・光源氏(9歳)&光源氏の義理の母・藤壺(14歳)
天皇・冷泉帝(11歳)&光源氏の養女・秋好中宮(20歳)
はそれぞれ、姉弟のように仲良く遊んでいた。
13話の、一条天皇&定子の仲睦まじい様子は、『源氏物語』の「桐壺」「絵合」の帖のオマージュになっています!
まずは光源氏&光源氏の母そっくりな、光源氏の初恋相手・藤壺。
藤壺は光源氏の父・桐壺帝の後妻であるため、「藤壺は光源氏にとって義理の母」に当たるのですが・・・
光源氏と藤壺は5歳しか変わらない(藤壺の方が年上)ため、姉弟のように仲良くしていたのです(*^^*)
光源氏&藤壺と『光る君へ』については、
幼い皇族と、年上の女御が姉妹のように仲が良い
女御は後に中宮になる
そこまで年の差があるわけではない
女性の方が年上だが、といった点がオマージュになっています。
光源氏と藤壺は「義理の母と息子」という関係であるため、一条天皇と定子の関係と異なりますが、年の差は近いですね!(『光る君へ3歳差、『源氏物語』5歳差)
続いて、冷泉帝&光源氏の養女・秋好中宮(女御時代の名は「梅壺の女御)。
まず冷泉帝は、「光源氏の父・桐壺帝と、その後妻・藤壺の子」という体ですが、実際は「光源氏と藤壺が不倫してできた子」なんです(^_^;)
そして秋好中宮(梅壺の女御)は、光源氏の元カノ・六条の御息所の娘であり、六条の御息所の死後、光源氏の養女になったのです。
つまり光源氏は、養女・秋好中宮(梅壺の女御)を実子・冷泉帝に嫁がせたのです。
9歳も年上の女御に馴染めなかった冷泉帝ですが、「絵画」という共通の趣味をきっかけに良い遊び相手に♡
先に娘(弘徽殿の女御)を入内させていた光源氏の悪友・頭の中将は、「うちの娘より、光源氏の養女のほうが天皇に愛されてる!」と焦ります(^_^;)
そして、冷泉帝の前で、
秋好中宮(この時は梅壺の女御。光源氏の養女)
VS
弘徽殿の女御(頭の中将の娘)
の豪華な絵合わせ対決が行われ、光源氏のおかげで秋好中宮側が勝利!
その後、梅壺の女御は秋好中宮(女御→中宮)になり、良好な夫婦関係を築いたのです(*^^*)
冷泉帝&秋好中宮と『光る君へ』については、
幼い天皇と年上の女御が姉弟のように仲が良い
最初、年上の女御に緊張していた
天皇は女御は後に中宮になる
政敵の娘も天皇の妃(『光る君へ』では今後、道長の娘が一条天皇に入内する)
政敵の娘よりも天皇に愛される
といった点がオマージュになっています。
年の差については光源氏&藤壺の方が一条天皇&定子に近いですが、関係性については冷泉帝&秋好中宮の方が近いですね!
なお、政敵(道長)の娘が今後、一条天皇に入内することや、一条天皇が定子の方を愛していたことについては、こちらの記事で詳しく解説しています♪
文で他の人との関係がバレる(13話)
【光る君へ】
道長は、まひろからの文を文箱に隠していたが、倫子に見つかってしまった。
【源氏物語】
光源氏の2番目の正妻・女三の宮は、不倫相手である柏木からの文を座布団のような敷物の下に隠していが、光源氏に見つかってしまった。
13話の倫子が、道長が隠していたまひろからの文を見つけたことは、『源氏物語』の「若菜下」の帖のオマージュになっています!
光源氏の2番目の正妻・女三の宮。
前述の通り、女三の宮は猫きっかけで頭の中将(光源氏の悪友)の息子・柏木に顔を見られ、柏木は女三の宮LOVEになります!
光源氏の最愛の妻(正妻ではない)・紫の上が、5話などのオマージュ元である六条の御息所の亡霊に祟られて倒れ、光源氏は紫の上を見舞うため留守に・・・
その隙に柏木が侵入し、女三の宮を襲ったのです(^_^;)
そんでもって女三の宮が柏木との子を妊娠(><)
光源氏が女三の宮のお見舞いに来た際、座布団のような敷物の下に隠してあった柏木からの恋文を発見してしまい、女三の宮&柏木の不倫が発覚するのです(><)
文で他の人との関係がバレる
文を捨てずに隠していた
不倫相手からの不倫相手とは既に、一夜を共にしていた
といった点がオマージュになっています。
道長とまひろの逢瀬は、道長の結婚前であるため正確には不倫ではないのですが、関係性は似ていますよね。
道長との1度きりに逢瀬から既に4年経っていますし、まひろが女三の宮のように妊娠しているということはありませんでした。
しかし、4年もまひろからの文を捨てていなかったということは道長はまだ、まひろを想っているのではないでしょうか?(><)
雪遊び(16話)
【光る君へ】
定子(高畑充希)が清少納言(ファーストサマーウイカ)に簾(屋外と部屋を仕切る御簾)を上げさせ、
- 定子(17歳)
- 一条天皇(14歳)
- 伊周(20歳)
- 公任(28歳)
- 行成(22歳)
- 斉信(27歳)
で雪遊びをする。
【源氏物語】
光源氏が御簾を上げさせ、少女たちに雪遊びをさせた。
16話の、雪遊びのシーンは、『源氏物語』の「朝顔」の帖のオマージュになっています!
光源氏は若い頃から、いとこである「朝顔の姫君」に好意を持っていましたが、関係を持ったことはなし・・・
それでも朝顔の姫君に会いに行いっていたため、最愛の正妻格・紫の上がやきもきしてしまいます(><)
雪がたくさん積もった夜、光源氏は御簾を上げさせて女の子たちに雪遊びをさせながら、紫の上に自分の恋愛遍歴を話しつつ、紫の上を慰めたのです。
御簾を上げさせる
若い女の子が雪遊びをする
中宮の前に雪山を作った(光源氏が紫の上に「昨年、藤壺中宮の前に雪山を作らせた」と言っていた)
といった点がオマージュになっています。
藤壺は、光源氏の初恋相手で義理の母!
詳しくはこちら♪
御簾を上げさせるのは、『枕草子』に書かれている清少納言と定子の有名なエピソード「香炉峰の雪」のオマージュです。
そのため雪遊びのシーンは、『枕草子』オマージュからの『源氏物語』オマージュという、贅沢なオマージュになっていたんですね!
藤壺も定子も「天皇に愛された中宮(天皇の后の位で1番高い)」であり、雪山を作っていたのも同じです♡
前述の通り、藤壺は以前も定子のオマージュ元になっていましたので、『光る君へ』では定子は藤壺イメージで描かれているのかもしれませんね♪
イケメン2人が天皇の前で舞う(16話)
【光る君へ】
一条天皇(塩野瑛久)の前で、
- 伊周(三浦翔平)
- 隆家(竜星涼)
が舞い、その後、詮子(吉田羊)がやって来て嫌味を言った。
【源氏物語】
先代の天皇の50歳の誕生日の式典のリハーサルの時、桐壺帝(光源氏のパパ)の前で、
- 光源氏
- 光源氏の悪友・頭の中将
が舞い、その後、桐壺帝の妻の1人・弘徽殿の女御がやって来て皮肉を言った。
16話の、伊周と隆家が一条天皇の前で舞ったシーンは、『源氏物語』の「紅葉賀」の帖のオマージュになっています!
先代の天皇の50歳の誕生日の式典が行われますが、桐壺帝(光源氏のパパ)の最愛の妻・藤壺は妊娠中(ホントは光源氏との子)で式典に出席できません(><)
そんな藤壺のために盛大なリハーサルが行われ、桐壺帝の前で、
- 光源氏
- 頭の中将
が舞います。
桐壺帝の妻の1人・弘徽殿の女御は、光源氏の舞を見て「美しすぎて神さまに誘拐されそうね。あぁ、気味が悪い」と皮肉を言ったのです(^_^;)
天皇の前でイケメン2人が舞う
嫌味を言う
お局様みたいな人がといった点がオマージュになっており、
- 光源氏→伊周(実際に、光源氏のモデルになったと言われている)
- 頭の中将→隆家
- 藤壺→定子(過去回も藤壺がオマージュ元だった)
- 桐壺帝→一条天皇
- 弘徽殿の女御→詮子
という構図になっていますね。
藤壺&弘徽殿の女御は帝の妻同士ですが、定子&詮子の嫁姑も怖いです(><)
正妻がいるけど、本命の看病(16話)
【光る君へ】
正妻の倫子(黒木華)がいたが、道長は疫病?にかかったまひろを一晩中看病した。
【源氏物語】
正妻の女三の宮がいたが、光源氏は倒れた紫の上の看病をした。
16話の、道長がまひろの看病をしたシーンは、『源氏物語』の「若菜下」の帖のオマージュになっています!
光源氏の最愛の妻・紫の上。
この時、光源氏は元天皇の頼みで女三の宮(元天皇の第三皇女)と結婚していたため、
- 女三の宮→正妻
- 紫の上→最愛の妻だが、正妻ではない
という立ち位置でした。
紫の上は、光源氏の愛人の1人だった六条の御息所の亡霊に祟られ、倒れてしまいます。。。
光源氏は正妻がいるにも関わらず、本命・紫の上の看病に付き添ったのです。
正妻がいるにも関わらず、本命(最愛の人)の看病をする
瀕死の状態になるが、何とか蘇生
といった点がオマージュになっており、
という構図になっていますね。
やっぱり道長はまだ、まひろを愛していたんだな〜と思い、キュンキュンすると共に胸が苦しくなってしまいました(><)
ただ『源氏物語』では光源氏の留守中、正妻・女三の宮は不倫していたのですが、倫子は不倫するなんてことはないと思われます。
家来に様子を見に行かせる(17話)
【光る君へ】
道長は、疫病に罹ったまひろの様子を従者・百舌彦に見に行かせた。
【源氏物語】
光源氏は、かつて一夜を共にした末摘花の様子を腹心の部下に見に行かせた。
17話の、道長がまひろの様子を見に行かせたシーンは、『源氏物語』の「蓬生」の帖のオマージュになっています!
かつて光源氏と一夜を共にした、ブスな女・末摘花。
光源氏は末摘花のことをスッカリ忘れてしまっていたのですが・・・(^_^;)
他の女を訪ねる途中で、荒れ果てた末摘花の屋敷を発見!
腹心の部下を使いに出し、末摘花の様子を調べさせたのです。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
末摘花はどんな人?その後どうなった?
過去に一夜を共にした相手の様子を見に行かせる
家来に、「そこにいるのは誰?」と聞かれる
従者が行った時、女性側は割とボロボロの屋敷に住んでいる
女性側は、今も相手を想い続けている
といった点がオマージュになっています。
『源氏物語』ではその後、光源氏は末摘花を気の毒に思い、面倒を見るのですが、『光る君へ』でも父・為時が「これを機に世話をしてもらえないだろうか」と言っていました。
まぁ、もうすぐ(998年。17話時点で995年だから3年後)まひろは宣孝(佐々木蔵之介)と結婚するため、道長の世話になることはないと思います。
しかし今後も道長は、まひろを気にかけるのではないでしょうか(><)
悪いことをした人が出世後に死亡&親族が見舞い(18話)
【光る君へ】
- まひろの母親を殺害
- 円融天皇(坂東巳之助)に毒を盛って譲位させる
- 花山天皇(本郷奏多)を騙して出家させる
といったことをしてきた道兼(玉置玲央)は、関白になるも疫病にかかって死亡。
危篤の際、弟・道長がお見舞いに来た。
【源氏物語】
光源氏の正妻・女三の宮と不倫して妊娠させた柏木は、光源氏にバレたショックで病になる。
権大納言の位をもらうも、死亡。
死の間際、従兄弟・夕霧(光源氏の息子)がお見舞いに来た。
18話の、関白になった道兼が死亡したシーンは、『源氏物語』の「柏木」の帖のオマージュになっています!
光源氏の悪友である頭の中将の息子・柏木。
柏木は光源氏の正妻・女三の宮と不倫して妊娠させてしまった
↓
不倫が光源氏にバレ、柏木は「権力者を敵に回してしまった!」というショックで病気に
↓
天皇は、柏木を元気づけるために権大納言(現代の国務大臣に相当する高官)に出世させてあげた
↓
柏木の従兄弟・夕霧(光源氏の息子)が心配して見舞いに来る
↓
柏木は夕霧に、「妻のことを頼む&光源氏に謝っておいてほしい」とお願いし、死去
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
柏木と女三の宮の不倫の経緯
悪いことをした人が出世後すぐに死亡
心を許していた親族の男性がお見舞いに来る(柏木と夕霧は親友でもあった)
死の間際、といった点がオマージュになっています。
道兼とか最初は大嫌いだったのですが、どんどん憑き物が落ちたように穏やかな表情になっていったので、亡くなったのは辛かったですね。。。
柏木も権力者の正妻と不倫しておきながらバレたショックで病になるくらい結構小心者なので、憎みきれないところも共通していると思います。
無言の再会(18話)
【光る君へ】
まひろと道長は過去に一夜を共にした場所で再会するが、何も言わずにすれ違う。
【源氏物語】
光源氏は、過去に一夜を共にした空蝉と再会するが、何も言わずにすれ違う。
18話の、まひろと道長の無言の再会は、『源氏物語』の「関屋」の帖のオマージュになっています!
中流階級の人妻・空蝉。
空蝉は過去に1度だけ、光源氏と一夜を共にしたことがあります。
ある時、
- 光源氏→石山寺へのお参りの道中
- 空蝉→地方での仕事があった夫について行き、任期を終えて京に帰ってきた道中
に、逢坂の関(現在の京都府南部と滋賀県の国境になっていた関所)で偶然再会したのですが、2人は何も言わずにすれ違ったのです。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
光源氏と空蝉が一夜を共にした経緯と、その後どうなったのか
1度だけ、一夜を共にした相手
かつて偶然の再会
無言ですれ違う
男性側は、政治の頂点を極め始めるところ
相手を忘れたわけではなく、想っている
2人ともといった点がオマージュになっています。
光源氏と空蝉はその後もよりを戻すということはありませんでしたが、文のやり取りはしていました。
まひろと道長の文もとっても素敵だったので、また2人の文のやり取りが見たいものですね(><)
廊下に撒きもので嫌がらせ(19話)
【光る君へ】
定子(高畑充希)の所に行く廊下には画鋲?が撒かれており、まひろが踏んでしまった。
【源氏物語】
光源氏の母・桐壺の更衣が通る廊下に、糞尿をまき散らすというイジメが行われていた。
19話の、嫌がらせで廊下に画鋲が撒かれていたことは、『源氏物語』の「桐壺」の帖のオマージュになっています!
光源氏の母・桐壺の更衣。
桐壺の更衣は天皇の后の中で身分が低かったのですが、光源氏の父・桐壺帝(天皇)は桐壺の更衣LOVE♡
そのため他の后たちが嫉妬し、桐壺の更衣が通る廊下に糞尿をまき散らすといったイジメが行われたのです(><)
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
桐壺の更衣がイジメられた理由を詳しく&その後どうなったか
廊下に撒きもので嫌がらせをされる
天皇が溺愛している后が嫌がらせを受けている
嫌がらせを受けた后は、子どもを産んですぐに亡くなる
といった点がオマージュになっています。
さすがに糞尿はNGだったようで、汚い→痛いイジメに変わっていましたね。
女同士のバチバチの恐ろしさは平安も現代も変わらないようですが、そんなイジメに屈しない清少納言がカッコよすぎました(><)
正妻が後ろから手紙を盗み見(20話)
【光る君へ】
道長が、
- まひろからの文
- 為時からの申文(ホントはまひろが書いたやつ)
の文字を確認しているところを、後ろから正妻・倫子(黒木華)が見ていた。
【源氏物語】
光源氏の息子・夕霧が、片想い相手・落葉の宮の母親からの手紙を読もうとしたところ、正妻・雲居の雁が後ろから取り上げて隠した。
20話の、道長が手紙を読んでいる姿を正妻・倫子が後ろから見ていたシーンは、『源氏物語』の「夕霧」の帖のオマージュになっています!
光源氏の息子・夕霧。
夕霧には、恋愛して結婚した正妻・雲居の雁がいたのですが・・・
夕霧は親友・柏木の死後、柏木の正妻で未亡人となった落葉の宮LOVEに(^_^;)
↓
落葉の宮に夜が明けるまで想いを伝え続けるが、落葉の宮には断られる
↓
落葉の宮に拒否られて関係は持たなかったのだが・・・
お坊さんが「夕霧が、お宅の娘さんのとこで一夜を明かしたそうですよ〜」と、落葉の宮の母親にチクる
↓
落葉の宮の母親は、
「女郎花 しをるる野辺を いずことて 一夜ばかりの 宿をかりけむ」
意味↓
「女郎花(落葉の宮)が(旦那・柏木のことで)嘆いている野辺(落葉の宮がいた山荘)を、一体どこだと思って一夜だけ泊まったんですか?」
という手紙を夕霧に出す
平安時代は、
恋文を出す
↓
男性が女性のもとに三夜連続で通う
↓
3日目に、三日夜の餅というお餅を食べて結婚成立
だった
「三夜連続=本気」ってことなら、一夜だけだと遊びみたいだよね
↓
夕霧が落葉の宮の母親からの手紙を読もうとした際、正妻・雲居の雁は落葉の宮からの手紙だと思い、そっと寄って来て後ろから取り上げた
正妻が後ろから手紙を盗み見
愛人からの手紙だと思っていたが、片想い相手の親からの手紙だった(『光る君へ』はまひろの申文だったが、あれは父・為時のフリをして書いた)
正妻はといった点がオマージュになっており、
- 夕霧→道長
- 雲居の雁→倫子
- 落葉の宮→まひろ
という構図になっていますね。
「夕霧→道長、雲居の雁→倫子」と同じ構図が、過去回にもありました。
雲居の雁は手紙を取り上げていましたが、倫子はそんなことはしていませんでしたね。
後に落葉の宮は夕霧と結婚するのですが、まひろ&道長はそんなことにはならなそうです(><)
愛する人の出家に嘆く(21話)
【光る君へ】
定子(高畑充希)が出家し、一条天皇(塩野瑛久)は憤りつつ、「もう私に会わないつもりか」と嘆いていた。
【源氏物語】
光源氏の義母・藤壺が出家し、光源氏は嘆いた。
21話の、定子の出家に一条天皇が嘆いたことは、『源氏物語』の「賢木」の帖のオマージュになっています!
光源氏の母そっくりな、光源氏の初恋相手・藤壺。
藤壺は光源氏の父・桐壺帝の後妻=光源氏の義母
↓
しかし、藤壺は光源氏と不倫して妊娠!
↓
不倫を隠し、生まれた子は桐壺帝(天皇)の子という体で育てられる
↓
桐壺帝の死後、光源氏は再び藤壺に手を出そうとするが・・・
↓
不倫がバレれば子ども(皇太子)がピンチになっちゃう(><)
↓
藤壺は光源氏を拒み、手を出されないように出家!
↓
光源氏は藤壺の出家を嘆く
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
光源氏と藤壺の不倫&妊娠について
突然、若くして出家(藤壺も光源氏や身内にも知らせず出家した)
愛する人の出家に嘆く男性
周り(身内や女房)も嘆き悲しんだ
といった点がオマージュになっています。
過去回でも、
- 光源氏→一条天皇
- 藤壺→定子
という構図がありました。
藤壺の突然の出家も衝撃でありつつ、「子どもを守るため」という母としての強さが見られて素敵だったのですが・・・
定子の出家はただただ悲しい衝撃でした。。。
一条天皇は「勝手なことを!」と怒ってもいましたが、やはり悲しんでもいましたよね。。。
子どもと共に行く母(21話)
【光る君へ】
伊周(三浦翔平)が大宰府(九州)に左遷された際、母・貴子(板谷由夏)も一緒についていこうとする。
【源氏物語】
光源氏の母・桐壺の更衣が亡くなった際、桐壺の更衣の母が火葬場について行った。
21話の、伊周の大宰府行きに母親がついて行こうとしたことは、『源氏物語』の「桐壺」の帖のオマージュになっています!
光源氏の母・桐壺の更衣。
桐壺の更衣は天皇・桐壺帝に愛されていましたが、他の妃たちからのイジメのせいか、心労で病気になって光源氏が3歳の時に亡くなってしまいます。。。
桐壺の更衣のお葬式の際。
当時、母親は火葬場に参列しないのが普通だったそうですが、桐壺の更衣の母親は「娘と同じ煙になりたい」と、泣きながら車を追いかけて乗り込んで参列したのです。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
桐壺の更衣が受けたイジメについて
子どもが死亡、死同然の状態
普通は母親はついていかないが、ついていく
車に乗り込む
(『光る君へ』では降ろされた)
車から落ちそうになるほど嘆き悲しむ人々が手を焼いた
天皇の妃の母親
といった点がオマージュになっています。
桐壺の更衣の母親が、自分より早く亡くなった娘の死に嘆き悲しむのは分かるのですが・・・
貴子に関しては「伊周より、妊娠中の定子のもとにいてやれよ〜てか伊周は1人で行け!」と思ってしまいました(^_^;)
それでも貴子が実資や道長に懇願する姿にはウルっときてしまいましたので、板谷由夏さんの演技力はさすがです(><)
不安な船出(22話)
【光る君へ】
越前に着き、為時の部下たちが微妙な働きで不安な中、
「かきくもり 夕立つ波の 荒ければ 浮きたる舟ぞ しづ心なき」
意味:「空一面が曇り、夕立が来そうで波も荒く、湖上に浮いた舟の上では心も落ち着かない」
という歌を詠む。
【源氏物語】
光源氏と女三の宮の息子(という体だけど、ホントの父親は柏木)である薫の愛人・浮舟。
薫の友だち・匂宮は浮舟に手を出し、浮気するために浮舟を宇治川対岸の隠れ家に連れ出す。
浮舟は心細い思いをしながら、小さい舟で川を渡る。
22話の、まひろが不安な思いで「かきくもり〜浮きたる舟ぞ〜」の和歌を詠んだことは、『源氏物語』の「浮舟」の帖のオマージュになっています!
光源氏と女三の宮の息子(という体だけど、ホントの父親は柏木)である薫の愛人・浮舟。
光源氏の孫・匂宮は、友だちである薫の愛人・浮舟LOVEに!
浮舟も次第に匂宮に心惹かれていきます・・・(><)
ある雪の日、匂宮は浮舟に会いに行き、一緒に過ごすために宇治川対岸の隠れ家へ連れ出すのです!
宇治川を小さい舟で渡りながら、浮舟は心細い思いで匂宮に身を委ねたのでした。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
薫&浮舟&匂宮の三角関係について詳しくと、その後どうなったのか
薫が「光源氏と女三の宮の息子」という体だが、ホントの父親は違う件について
匂宮が光源氏の孫であることについて(祖母は明石の御方、両親は帝&明石の中宮)
小さい舟で渡った
いつもいる場所から外に出た
残してきた場所には本命がいる
不安で心細い心境
「浮きたる舟」という言葉(薫の愛人の名前「浮舟」)
といった点がオマージュになっています。
『光る君へ』では越前に着いてから「かきくもり〜」という歌を詠んでいましたが、実際の紫式部は琵琶湖の舟の上で詠んだそうなので、ますます浮舟の状態に近いですね。
浮舟は結局、薫と匂宮を選べずに出家するのですが、『光る君へ』でも、
- 残してきた場所には本命・道長がいる
- 新しい場所で周明(松下洸平)と出会った
- でも、どちらとも結婚はしない
といったことから、
- 薫→道長
- 浮舟→まひろ
- 匂宮→周明
という構図になっているのかもしれませんね♪
テンの毛皮(23話)
↑これが「テン」!
イタチ科の動物だよ♪
【光る君へ】
周明(松下洸平)が「松原客館には“テンの毛皮”がある」と言っていた。
【源氏物語】
光源氏と一夜を過ごしたブスな女・末摘花は、テンの毛皮を着ていた。
23話の、テンの毛皮の話題は、『源氏物語』の「末摘花」の帖のオマージュになっています!
ブスな女・末摘花。
光源氏はブスとは知らずにアタックし一夜を共に過ごすのですが・・・
翌朝に顔を見るとブスな上、
色あせたピンクの着物の上に、元の色が分からないほど黒ずんだ着物を重ね、上着にテンの毛皮
というファッションで、光源氏は「由緒ある服だが、若い女性の服としては似合わない」と思ったのです(^_^;)
「テンの毛皮が出てきた」という点がオマージュになっています。
テンの毛皮は高級だそうですが、末摘花は後ろ盾である父親を早くに亡くし、困窮していたため、色あせて黒ずんた着物を着ていたということですね(><)
まひろは「テンの毛皮!?」と驚いていましたので、この時のことを末摘花の容姿に反映させたという設定なのかもしれませんね♪
地方まで会いに来た男性(23話)
【光る君へ】
父の仕事の都合で越前(今の福井県)にいたまひろのもとに、宣孝(佐々木蔵之介)がやって来る。
【源氏物語】
自主謹慎で須磨(今の兵庫県)にいた光源氏のもとに、悪友・頭の中将がやって来る。
23話の、越前に宣孝がやってきたことは、『源氏物語』の「須磨」の帖のオマージュになっています!
光源氏は政敵・右大臣の娘に手を出したのがバレ、謀反の罪を捏造されてしまいます(><)
そのため、追い出される前に自主謹慎で須磨の地へ。
ある日、光源氏の悪友・頭の中将が須磨を訪ねて来て、2人で楽しく近況を語らったのです。
新年が明けた後、地方までやってきた男性
来たことが都にバレたらまずい(光源氏は謀反の罪を捏造されているため)
やってきた側は、楽しく語らう
地方にいる側は、海辺での生活
都に残してきた好きな人のことを考えていた(光源氏は正妻格の女性・紫の上のことを考えていた)
地方にいる側は、という点がオマージュになっています。
地方にいる側が男性か女性かという違いはあるものの、まひろは宣孝に恋愛感情はなかったため、「友だちが訪ねてきた」という点では共通していますね!
しかし宣孝には恋愛感情があったため、今後まひろの気持ちがどう動いて宣孝との結婚まで行くのか気になります(><)
夢で睨まれ、左遷先から召還(24話)
【光る君へ】
詮子(吉田羊)が、大宰府(九州)に左遷された伊周(三浦翔平)に睨まれる夢を見る。
一条天皇(塩野瑛久)は恩赦(刑罰の全てor一部を、消滅or軽減させる制度)の命を出し、伊周&隆家(竜星涼)の罪を許して帰京させる。
【源氏物語】
自主謹慎で須磨(今の兵庫県)にいた光源氏。
都にいた朱雀帝(光源氏の異母兄)は、父・桐壺帝に睨まれる夢を見る。
光源氏を流罪にしているせいだと思い、光源氏の帰京が許される。
24話の、詮子が夢の中で伊周に睨まれ、伊周&隆家の帰京が許されたことは、『源氏物語』の「明石」の帖のオマージュになっています!
光源氏は政敵・右大臣の娘に手を出したのがバレ、謀反の罪を捏造され、追い出される前に自主謹慎で須磨の地(今の兵庫県)へ。
その頃、都では・・・
- 雷雨
- 右大臣が亡くなる
- 弘徽殿の女御(朱雀帝の母親)の具合も悪い
といったことが起こる
↓
さらに朱雀帝(光源氏の異母兄)の夢の中に、桐壺帝(光源氏と朱雀帝のパパ)が現れ、朱雀帝を睨む
朱雀帝→桐壺帝の第一皇子(母は弘徽殿の女御)
光源氏→桐壺帝の第二皇子(母は桐壺の更衣)
↓
朱雀帝は目を患う
↓
「これらの悪いことは、光源氏を無実の罪で流罪にしたせいだ」と思い、光源氏の帰京を許す
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
光源氏が自主謹慎するきっかけになった敵の女性との関係
夢の中で睨まれる(朱雀帝は天皇、詮子は女院)
身分が高い人が天皇の母親が病気になる(『源氏物語』で、朱雀帝の母・弘徽殿の女御も病になった)
(光源氏は右大臣の娘に手を出したが、謀反は冤罪。伊周&隆家は花山院の車を射ったが、呪いは冤罪)
左遷された側にも非があるが、冤罪もある帰京が許される
結果、という点がオマージュになっています。
平安時代の人たちは、夢の中で起こった悪いことを現実に繋げて考え、さらに亡くなった人の祟りだけでなく、生きてる人の恨みのせいで悪いことが起こると考えていたんですね〜
立ち場の弱い妃を溺愛(24話)
【光る君へ】
出家して後ろ盾もいなくなった定子(高畑充希)を、一条天皇(塩野瑛久)は溺愛し、政務もおざなりで連日通っている。
【源氏物語】
身分の高くない桐壺の更衣(光源氏のママ)を、桐壺帝(光源氏のパパ)は溺愛し、昼も夜も側に置いた。
24話の、一条天皇が定子のもとに連日通っていることは、『源氏物語』の「桐壺」の帖のオマージュになっています!
光源氏のママ・桐壺の更衣。
妃の位は「皇后=中宮>女御>更衣」で、天皇の妃の中で1番下の位にも関わらず、桐壺帝は桐壺の更衣LOVE♡♡
昼も夜も桐壺の更衣を側に置いてイチャついていたため、貴族たちも「中国でも楊貴妃を溺愛して、世が乱れたという悪い先例がある」と噂したのです(^_^;)
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
桐壺の更衣の身分が低く、嫌われている理由
天皇が、立ち場の弱い妃を政務がおざなりになるほど溺愛
貴族たちが悪口・皮肉を言う
という点がオマージュになっています。
定子は父・道隆(井浦新)が存命の間は確固たる地位を築いていましたが、兄・伊周(三浦翔平)と隆家が流罪になったせいで、すっかり立ち場が弱くなってしまいましたね。。。
それでも一条天皇の愛は熱いままで、貴族たちは文句を言っていますが、私は応援したくなっちゃいます(><)!!
松浦国の鏡神社の歌(24話)
【光る君へ】
さわは亡くなる前、
「ゆきめぐり あふをまつらの かがみには たれをかけつつ いのるとかしる」
意味:「松浦国の総社・鏡神社の神は、私が誰のことを心に思って祈ってるか知っているでしょう」
超訳:「紫式部にまた会えることを願っています」
という歌を詠んだ。
【松浦国とは?】
現在の佐賀県と長崎県の北部。
【鏡神社とは?】
佐賀県唐津市にある神社。
【総社とは?】
国司(地方の国を治める役人)は元々、管轄内の神社を巡拝することになっていた。
しかし、その後、複数の神社の祭神を1ヶ所に合わせて祀って「総社」が建てられた
【源氏物語】
肥後(現在の熊本県)の豪族が、後に光源氏の養女となる玉鬘に、
「君にもし 心違はば 松浦なる 鏡の神を かけて誓はむ」
意味:「もし私が心変わりしたら、『どんな罰でも受ける』と、松浦国の総社・鏡神社にかけて誓いましょう」
超訳:「俺は心変わりしないよ♡玉鬘だけだよ♡」
と、求婚の和歌を送る。
24話の、さわが亡くなる前に詠んだ歌は、『源氏物語』の「玉鬘」の帖のオマージュになっています!
光源氏の悪友の娘で、平安のシンデレラガール・玉鬘。
玉鬘は身寄りがなく、元々九州にいたのですが、その美しさから肥後(現在の熊本県)の豪族(地方を支配している権力者)・大夫の監という男性から求婚されます(><)
大夫の監が玉鬘に向けて詠んだ歌が、
「君にもし 心違はば 松浦なる 鏡の神を かけて誓はむ」
意味:「もし私が心変わりしたら、『どんな罰でも受ける』と、松浦国の総社・鏡神社にかけて誓いましょう」
超訳:「俺は心変わりしないよ♡玉鬘だけだよ♡」
なのです。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
玉鬘の出生(両親)について
和歌に「松浦国の総社・鏡神社」という言葉が出てくるという点がオマージュになっています。
過去回でも、さわのオマージュ元は玉鬘でした。
どちらも恋の歌のような感じですが、
「ゆきめぐり あふをまつらの かがみには たれをかけつつ いのるとかしる」
は実際に肥前(現在の佐賀県と長崎県)にいた紫式部の友人が、越前にいた頃の紫式部に送った歌です。
「河口」の歌(25話)
【光る君へ】
越前から帰ってきたまひろのための宴でのこと。
宣孝(佐々木蔵之介)が、まひろの方を見ながら平安時代に盛んになった古代歌謡『催馬楽』の一つ「河口」という歌を歌っていた。
「河口」の歌詞の超訳:大きい垣根が私を守ってたけど、私は家を抜け出して、とっくに恋人と一夜を共にしたのよ
歌詞:関の荒垣や 守れども はれ守れども 出でて 我寝ぬや 出でて
意味:河口の関所の荒垣(大きい垣根)よ。私を守っていたけれど、私は抜け出して寝てしまったよ
【源氏物語】
- 光源氏の息子・夕霧
- 頭の中将(光源氏の悪友)の娘・雲居の雁
の結婚が認められる宴でのこと。
雲居の雁の兄弟が『催馬楽』の一つ「葦垣」という歌を歌った。
「葦垣」の歌詞の超訳:親の許しをもらう前に、娘さんいただいちゃったんですけど、親にバレたみたいっす(*ノω・*)テヘ
歌詞:葦垣真垣 真垣かき分けて てふ越すと 負ひ越すと誰 てふ越すと 誰か 誰か この事を 親に まうよこしし 轟ける この家 この家の 弟嫁 親に まうよこしけらしも
意味:男が垣根を越え、娘をおぶって連れ出し、密かに一夜を共にしたのを、誰が親に告げ口したのか
その後、夕霧は雲居の雁に「雲居の雁の兄弟が歌った『葦垣』はひどかった。僕は『河口の』と言い返してやりたかった」と言った。
=「夕霧が連れ出したのではなく、雲居の雁の方から家を抜け出して逢瀬を重ねていたのだ」と言ってやりたかった
25話の、宣孝が歌っていた「河口」の歌は、『源氏物語』の「藤裏葉」の帖のオマージュになっています!
- 光源氏の息子・夕霧
- 頭の中将(光源氏の悪友)の娘・雲居の雁
は恋仲でしたが、頭の中将は結婚に反対(><)
しかし、その後、頭の中将は宴の席で2人の結婚を認めます。
そこで雲居の雁の兄弟が、平安時代に盛んになった古代歌謡『催馬楽』の一つ「葦垣」という歌を歌ったのです。
【歌詞】
葦垣真垣 真垣かき分けて てふ越すと 負ひ越すと誰 てふ越すと 誰か 誰か この事を 親に まうよこしし 轟ける この家 この家の 弟嫁 親に まうよこしけらしも
【意味】
男が垣根を越え、娘をおぶって連れ出し、密かに一夜を共にしたのを、誰が親に告げ口したのか
【超訳】
親の許しをもらう前に、娘さんいただいちゃったんですけど、親にバレたみたいっす(*ノω・*)テヘ
=「夕霧!お前は親の許しを得る前に、雲居の雁とイイ仲になってたんだろ?」
その後、夕霧と雲居の雁が2人きりになった時、夕霧が雲居の雁に、
「雲居の雁の兄弟が歌った『葦垣』はひどかった。僕は『河口の』と言い返してやりたかった」
=「僕が連れ出したんじゃなくて、君の方から会いに来てくれたのにね(笑)」
と言ったのです(^_^;)
【歌詞】
関の荒垣や 守れども はれ守れども 出でて 我寝ぬや 出でて
【意味】
河口の関所の荒垣(大きい垣根)よ。私を守っていたけれど、私は抜け出して寝てしまったよ
【超訳】
大きい垣根が私を守ってたけど、私は家を抜け出して、とっくに恋人と一夜を共にしたのよ
それに対し雲居の雁は、
「浅き名を 言ひ流しける 河口は いかが漏らしし 関の荒垣」
【意味】
「あの時、わたし達の恋仲が噂になったけれど、あなたはどんな風に2人の仲を漏らしたのかしら?」
【超訳】
「何でわたし達の仲を喋っちゃったのよ〜(><)」
と返したのです。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
夕霧と雲居の雁の結婚が反対されていたことについて
「河口」という歌が出てきた
結婚前の宴で歌われた
結婚前に男性と一夜を共にしていた
まひろも雲居の雁も、「関の荒垣」という言葉が出てきた
雲居の雁の和歌にという点がオマージュになっています。
宣孝が「河口」をまひろに向けて歌ったということは、
「まひろが既に他の男と一夜を共に過ごしたことは知っているぞ(そんなお前も大歓迎だぞor皮肉)」
という意味だったのかもしれませんね〜
浮気男に灰を投げつける(26話)
【光る君へ】
まひろは、
自分よりも若い女性にうつつを抜かす
自分が書いた文を他の女性に見せる
「可愛げのないところに、左大臣(道長)も嫌気が差したのでは?」言う
といった宣孝(佐々木蔵之介)の言動に怒り、灰を投げつける。
【源氏物語】
熊みたいな貴族の男性・髭黒は、光源氏の養女・玉鬘LOVEに♡
髭黒が玉鬘のもとに行こうとした時、髭黒の正妻は物の怪に取り憑かれ、髭黒に灰を投げつける。
26話の、まひろが宣孝に灰を投げつけたことは、『源氏物語』の「真木柱」の帖のオマージュになっています!
熊みたいな容姿の貴族の男性・髭黒。
髭黒の正妻は美人でしたが「物の怪に取り憑かれることがある」とされており、正気を失うことが多々ありました。
髭黒は光源氏の養女・玉鬘LOVEに!
↓
髭黒は玉鬘を無理やり襲う(^_^;)
↓
光源氏も「こうなったら仕方ない」と、髭黒と玉鬘を結婚させることに
↓
結婚前、髭黒は玉鬘のもとに行くためルンルンで準備
↓
そんな髭黒に、髭黒の正妻は灰を投げつける!
↓
女房(お世話係)たちは「物の怪の仕業だ」と言う
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
玉鬘が光源氏の養女になった経緯とその後
浮気した男性に灰を投げつける
自分よりも若い女性と浮気される
妻側は、妻側は美しい女性
男性側は最初、冗談っぽく弁明する
灰を投げつけられた後、男性は来なくなる
という点がオマージュになっています。
まひろは宣孝の正妻ではありませんし、物の怪に取り憑かれたわけでもなく正気でしたが、構図は似ています。
平安時代は男性が正妻の他に妾を複数持つこと自体は問題ではありませんでしたが、現代と同じでやっぱり女性側は嫌ですよね。。。
ちなみに私は最近、不倫男性への制裁でさらにヤバいことをしているドラマ(※リンク先ネタバレ注意)を見てしまったので、灰を投げつけるくらいでは驚かなくなってしまいました(笑)
感情に乏しい姫が正妻に(26話〜・28話)
【光る君へ】
道長と倫子(黒木華)の長女・彰子(見上愛)は、
- 幼い頃は言葉が遅い
- 笑わない
- 弟からも「ボーッとしてる」と言われるほど
- 父・道長から何を言われても「仰せのままに」を繰り返す
- 裳着の儀(成人式)で集まった人に挨拶もしない
という、大人しく感情に乏しい姫。
一条天皇(塩野瑛久)には定子(高畑充希)という正妻がいたが、道長の娘・彰子(見上愛)も正妻にすることに。(一帝二后)
【源氏物語】
光源氏には紫の上という正妻格がいたが、元天皇の第三皇女・女三の宮を正妻にすることに。
光源氏の2番目の正妻・女三の宮は感情が乏しく、お人形のように笑わない。
26話〜・28話の感情に乏しい姫・彰子が正妻になったことは、『源氏物語』の「若菜上」になっています!
元天皇である朱雀院の第三皇女・女三の宮。
光源氏には当時、正妻格で最愛の妻・紫の上がいましたが、元天皇の頼みで女三の宮を正妻にしました。
しかし女三の宮は、
- 父である元天皇に過保護に育てられたためか、幼い
- 感情に乏しく、笑わない
という姫だったため、光源氏は失望し、「やっぱり俺の愛する人は紫の上だ!!」と思ったのでした(^_^;)
感情に乏しく、笑わない
幼い(彰子は26話時点で12歳、女三の宮は結婚時14歳)
(彰子は一条天皇に嫁ぎ、正妻である中宮になる)
正妻(格)がいるところに嫁いで正妻になる(女三の宮14歳、紫の上30歳くらい。彰子12歳、定子22歳)
正妻(格)よりだいぶ幼い猫好き
夫は元の正妻(格)LOVE
2番目の正妻は権力者の娘だが、元の正妻(格)には後ろ盾がいない
元の正妻(格)は、2番目の正妻に優しい
という点がオマージュになっており、
- 光源氏→一条天皇
- 紫の上→定子
- 女三の宮→彰子
という構図になっていますね。
『源氏物語』で紫の上は女三の宮と会った時、優しく接していて胸が痛くなりました。
定子と彰子は会いませんでしたが、「彰子さまといる時は、私のことは忘れて」というシーンは、胸が痛くなりましたね。。。。
一途でありながら気高く優しい姫だからこそ、一条天皇・光源氏は定子・紫の上が最愛の妻だったのでしょうね。。。
不倫でできた子(27話)
【光る君へ】
- まひろには宣孝という夫
- 道長には倫子・明子という妻
がいたにも関わらず不倫関係になり、まひろと道長の間に娘が生まれるが、宣孝とまひろの子として育てられる。
【源氏物語】
- 光源氏には葵の上という正妻
- 光源氏の義理の母・藤壺には桐壺帝(天皇。光源氏の父)という夫
がいたにも関わらず不倫関係になり、光源氏と藤壺の間に息子が生まれるが、桐壺帝と藤壺の子として育てられる。
&
- 女三の宮には光源氏という夫(女三の宮は2番目の正妻)
- 光源氏の悪友の息子・柏木には落葉の宮(女三の宮の異母姉)という正妻
がいたにも関わらず不倫関係になり、女三の宮と柏木の間に息子が生まれるが、光源氏と女三の宮の子として育てられる。
27話の、まひろと道長のW不倫で子どもが生まれたことは、『源氏物語』の「若紫」&「若菜下」の帖のオマージュになっています!
光源氏の母そっくりな、光源氏の初恋相手・藤壺。
藤壺は光源氏の父・桐壺帝(天皇)の再婚相手であるため、光源氏にとっては義理の母に当たるのですが・・・
光源氏が18歳の時、藤壺の部屋に忍び込んで一夜を共にし、3ヶ月後に藤壺の妊娠が発覚!
不倫を隠し、生まれた子は桐壺帝(天皇)の子という体で育てられたのです。
光源氏の2番目の正妻・女三の宮。
光源氏の悪友である頭の中将の息子・柏木は女三の宮LOVEに(^_^;)
隙を見て柏木は女三の宮を襲い、女三の宮は妊娠してしまいます(><)
柏木と女三の宮の不倫は光源氏にバレてしまいましたが、光源氏は自分の子として育てたのです。
W不倫で子どもができる
夫婦の子として育てられる
子どもは不倫がバレる(柏木と女三の宮の場合)
という点がオマージュになっており、
- 光源氏→道長
- 藤壺→まひろ
- 桐壺帝→宣孝
- 葵の上→倫子
- 柏木→道長
- 女三の宮→まひろ
- 光源氏→宣孝
- 落葉の宮→倫子
という構図になっていますね。
光源氏は最初、義母と不倫して子どもを授かったわけですが、最後には自分の妻に不倫される側になっていました。
道長も今後、倫子や明子に不倫されることはあるのでしょうか??
藤壺と皇子(29話・33話・41話)
【光る君へ】
定子(高畑充希)の子・敦康親王は定子の死後、飛香舎(別名:藤壺)に住む彰子(見上愛)のもとで育てられる。
彰子は敦康親王にこっそりお菓子をあげたりと、仲が良く、成長後、敦康親王は彰子を慕うようになる。
【光る君へ】
彰子の妹で、三条天皇(木村達成)に嫁いだ妍子(倉沢杏菜)は、三条天皇即位後に藤壺に移った。
妍子は三条天皇の息子・敦明親王(阿佐辰美)に惹かれている。
【源氏物語】
桐壺帝と桐壺の更衣の子・光源氏は、桐壺の更衣の死後、桐壺帝の新しい妃・藤壺と仲が良かった。
29話の、敦康親王が彰子に惹かれていること、妍子が敦明親王に惹かれていることは、『源氏物語』の「桐壺」の帖のオマージュになっています!
光源氏の母そっくりな、光源氏の初恋相手・藤壺。
光源氏の母・桐壺の更衣は光源氏が3歳の時に死去(光源氏は第二皇子)
↓
桐壺の更衣の夫・桐壺帝(天皇)は桐壺の更衣LOVEだったため、桐壺の更衣そっくりな藤壺と再婚
↓
藤壺と光源氏は、姉弟のように仲良くしていた
↓
光源氏は藤壺に惹かれており、18歳のときに藤壺の部屋に忍び込んで一夜を共にする
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光源氏と藤壺のその後
皇子の実の母(桐壺の更衣、定子、娍子)は、天皇の寵愛を受けていた
「藤壺」という場所
皇子と義母の仲が良い
皇子は天皇にはなれなかった
という点がオマージュになっています。
藤壺が光源氏を育てたというわけではありませんが、桐壺帝も藤壺に「あなたは光源氏の母親のようだ。光源氏をかわいがってください」と言っていました。
桐壺帝と桐壺の更衣は一条天皇&定子を彷彿とさせるため、一条天皇は「光源氏は敦康か?」と言っていたわけですね。
しかし前述の通り、光源氏と藤壺も一条天皇&定子を彷彿とさせるため、彰子は「光源氏は帝みたい」と言っていたわけです。
その後、光源氏と藤壺は禁断の不倫関係になってしまうわけですが、『光る君へ』の敦康親王も彰子を慕っています(><)
しかし藤壺と光源氏のような関係にまでなってしまいそうなのは、どちらかというと敦明親王と妍子ですよね〜(^_^;)
妍子の肉食っぷりがスゴいですし(笑)
乳母が去る(29話)
【光る君へ】
まひろの娘である賢子の乳母・あさは、宣孝(佐々木蔵之介)の死後、逃げ出す。
【源氏物語】
光源氏の息子・薫が山奥で出会った美人姉妹の妹・中君の乳母は、中君を見捨てた。
29話の、賢子の乳母が逃げ出したことは、『源氏物語』の「橋姫」の帖のオマージュになっています!
山奥に住む美人姉妹の妹・中君。
中君の父親は、桐壺帝(←光源氏のパパ)の第八皇子ですが現在は忘れ去られており、山奥で娘2人、
- 姉→大君
- 妹→中君
とひっそりと暮らしていました。
中君の母親は中君を出産後、亡くなってしまい、中君の乳母は「母親も亡くなって、落ちぶれた家で将来の見込みもない」と、中君を見捨てたのです(><)
乳母が面倒を見ている子どもを見捨てて逃げ出す
両親の片方が亡くなった状態(『源氏物語』では母親、『光る君へ』では父親である宣孝)
生活が苦しくなりそうだから逃げ出した
という点がオマージュになっています。
まひろ家はまだ為時も働けますし、いと達もいますが、中君の家はほぼ父親1人で育てているようなものなので、もっと大変そうですね(><)
まぁ給料をもらえない家に勤め続けるわけにもいかないでしょうし、生きるためには仕方ないと思います。
扇の交換(30話)
【光る君へ】
和泉式部(泉里香)は、「親王さまと扇の取り替えっこをした」と言っていた。
【源氏物語】
光源氏が敵の女・朧月夜と一夜を共にした時のこと。
朧月夜は自分の正体を明かさず、自分を探す時の印として扇を交換して部屋を出てしまった。
30話の、和泉式部が親王と扇を交換したことは、『源氏物語』の「花宴」の帖のオマージュになっています!
右大臣の娘であり、いわゆる「敵の女」・朧月夜。
光源氏は朧月夜の正体を知らぬまま、一夜を共にします。
朝になって、光源氏が「名前を教えておくれ」と言いますが・・・
朧月夜は、
「このまま名乗らずに消えたら、あなたは一生懸命探してくれるかしら?」
と言い、自分を探す時の印として、扇を交換したのです。
平安時代の女性は、本当は扇とかで顔を隠してたから、外で会っても分からないんだね
光源氏の扇で顔を隠してる女性がいたら、それが朧月夜ってこと!
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朧月夜について詳しく&その後
「扇の交換」という点がオマージュになっています。
「急に『扇の取り替えっこ』って唐突だし、取り替えっこについてその後詳しく話すわけでもないし」って感じでしたが、『源氏物語』のオマージュだったんですね!
現代でいうと、中学生カップルがシーブリーズの蓋や名札を交換するようなものでしょうか?(笑)
和泉式部と親王は別に敵同士というわけではありませんが、ラブラブっぷりは伝わってきますね〜
粗末な服で好きな人に会いに行く(30話)
【光る君へ】
道長は茶色い狩衣を着て、まひろに会いに行った。
【源氏物語】
光源氏は正体を隠し、粗末な狩衣を着て夜更けに中流の女性・夕顔のもとに通っていた。
30話の、道長が粗末な狩衣でまひろに会いに行ったことは、『源氏物語』の「夕顔」の帖のオマージュになっています!
中流の「あざとい系女子」・夕顔。
夕顔は詳しい素性を明かさないため、光源氏も自分の正体を隠していました。
そして粗末な狩衣を着て顔も隠した状態で、夜更けにお忍びで夕顔のもとに通っていたのです(><)
狩衣→肩が開いていて動きやすい「超ラフな普段着」
直衣→「普通の普段着」
束帯→宮中に出勤する時や行事の時の「正装」
粗末な狩衣を着て、お忍びで会いに行く
男性側には正妻がいる
女性側には娘がいる
男性の方が身分が高い
という点がオマージュになっています。
過去回でも、
- 道長→光源氏
- まひろ→夕顔
がオマージュになっているシーンがありました。
その後、夕顔は呪われることとなるのですが、『光る君へ』でも明子あたりがまひろを呪いそうですよね(笑)
夫と別の女性との子を育てる(32話)
【光る君へ】
赤染衛門(凰稀かなめ)は、「私の夫はあちこちに子を作り、それを皆、私が育てていた」と言っていた。
【源氏物語】
光源氏の妻の1人・花散里は、光源氏と別の女性の子どもの母親代わりとなった。
夫が外で作った子を育てた赤染衛門は、『源氏物語』の花散里のオマージュになっています!
温和でお母さんタイプの「癒やし系女子」・花散里。
花散里自身に光源氏との子どもはいなかったが、その人柄を見込まれ、
- 夕霧(光源氏と亡き正妻・葵の上の息子)
- 玉鬘(光源氏の養女)
の母親代わりとなった。
夫と別の女性との子を育てたという点がオマージュになっています。
史実では赤染衛門と夫・大江匡衡はおしどり夫婦として知られ「匡衡衛門」と呼ばれるほどだったのですが、オマージュにするために『光る君へ』では違う設定にしたのでしょう。
「匡衡衛門」って今でいうと、アイドルの2人に対してファンが呼ぶ呼び名みたいな感じかな?
嵐の「にのあい」(二宮さんと相葉さん)とか「翔潤」(櫻井さんと松本さん)みたいな
夫が外で作った子を実際に赤染衛門が育てたという情報はありませんでしたが、「おしどり夫婦」として知られる大江匡衡に他にも妻がいたことは事実です。
「帝も皇后も関白も出る」(32話)
【光る君へ】
道長は安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)から、「あなた様の家からは帝も皇后も関白も出るでしょう」と言われる。
【源氏物語】
光源氏は占い師から「子どもは3人。帝、后、太政大臣になるだろう」と言われる。
32話の、道長が安倍晴明から予言を受けたことは、『源氏物語』の「澪標」の帖のオマージュになっています!
光源氏が自主謹慎先で知り合った田舎の美人・明石の御方が、光源氏との子どもを出産した頃・・・
光源氏は占い師に、
「子どもは3人。帝、后、太政大臣になるだろう」
と言われ、実際には、
(光源氏と光源氏の初恋相手・藤壺の不倫でできた子)→帝になる
冷泉帝(光源氏と田舎の美人・明石の御方の子)→冷泉帝の次の帝の后になる
明石の姫君(光源氏と亡き正妻・葵の上の子)→物語が終わる時点で左大臣だが、その後太政大臣になった可能性はある
夕霧と、ほぼ的中したのです!
占い師に「あなた様の家からは帝も皇后も関白も出るでしょう」と言われる(『源氏物語』では関白ではなく太政大臣。安倍晴明は占い師ではないが、占いもする)
占いが的中する
という点がオマージュになっています。
道長の家からは実際に、
彰子(見上愛)の産んだ後一条天皇、後朱雀天皇、六女・嬉子の産んだ後冷泉天皇が帝になる
彰子が一条天皇の皇后、次女・妍子が三条天皇の皇后、四女・威子が後一条天皇の皇后になる
長男・頼通(渡邊圭祐)、五男・教通が関白になる
と、帝、皇后、関白を輩出しています!
物語論(35話)
【光る君へ】
まひろは道長に「お前は不義の子を産んだのか?」と聞かれ、
「一度物語となってしまえば、我が身に起きたことなど霧の彼方。本当のことかどうかも分からなくなってしまう」
と答えた。
【源氏物語】
光源氏は養女・玉鬘に、
「物語というのは、後世に語り伝えたい事柄を、良いことも悪いことも自分の心にしまっておくことができず、書き始めたもの。
よく言えば、何事も無駄ではない」
と、物語論を話す。
35話の、まひろが物語論を語ったことは、『源氏物語』の「蛍」の帖のオマージュになっています!
光源氏の養女で、平安のシンデレラガール・玉鬘。
長雨(梅雨)の季節に入り、物語に熱中する玉鬘に光源氏は、
「物語というものは、その人物の身の上話を、ありのまま書くことはない。
しかし後世に語り伝えたい事柄を、良いことも悪いことも自分の心にしまっておくことができず、書き始めたものなのだ。
良いことだけを選び出したり、読者の機嫌を取ろうと悪いことや珍しいことを集めて誇張して書いたりするのは、ありえないことではない。
悟りと煩悩の差とは、物語の善人と悪人の違いぐらいに過ぎない。
よく言えば、何事も無駄ではない」
と、物語論を語った。
【もっと詳しく知りたい方はこちら♪】
玉鬘について詳しく
物語論を語る
「ありのまま物語にしたわけではないが、自分の心にしまっておくことができず書いた」という部分
「何事も無駄ではない」という部分
「良いことだけを選び出したり」の部分(以前まひろは、清少納言の『枕草子』について「定子の影の部分も知りたい」と言っていた)
物語論を語った相手は、物語に熱中
という点がオマージュになっています。
不義の子について書いた「若紫」も、まひろの体験をありのまま書いたわけではなく、もちろん立ち場などは違っています。
しかし、まひろにとっては「自分の心にしまっておくことができなかったこと」なのではないでしょうか?
光源氏の物語論「何事も無駄ではない」と同じように、まひろに起こったこと全てが無駄ではなく、物語に繋がっている感じがしますよね。
斎院(35話)
【光る君へ】
惟規(高杉真宙)が斎院(賀茂神社に奉仕する未婚の皇女がいる男子禁制の場所)の中将に会いに行った。
それを聞いたまひろは、何かを思いついたように筆を取った。
【源氏物語】
『源氏物語』にも、
末摘花の侍従(お世話係)は斎院の女房(お世話係兼教育係)でもあった
光源氏と関係を持った1人・朝顔の姫君も斎院
光源氏が片想いしていたというように斎院が登場している。
35話の、惟規が斎院の中将に会いに行ったことは、『源氏物語』の「末摘花」や朝顔の姫君の帖のオマージュになっています!
まず末摘花について。
ブスな女・末摘花は、後ろ盾である父親を早くに亡くしているため生活は困窮し、ボロ屋敷で暮らしていました。
末摘花の侍従(お世話係)は斎院の女房(お世話係兼教育係)でもあったため、斎院に行っていて留守の時も。
光源氏は「斎院の女房が留守の時、末摘花の屋敷は、一層貧相で野暮ったい女房ばかりだ」と評しています(^_^;)
続いて朝顔の姫君について。
光源氏を拒み続けた女性・朝顔の姫君は光源氏のいとこであり、斎院を務めていました。
光源氏は朝顔の姫君に片想いしていましたが、斎院の恋愛はご法度!
朝顔の姫君も光源氏に好意はあったものの、光源氏の求愛を拒み続けたのでした。
朝顔の姫君は長く斎院を務めていたたため婚期を逃し、そのまま独身を貫き通して出家しました。
斎院が登場
(惟規→斎院の中将、光源氏→朝顔の姫君)
男子禁制なのに関係を持とうとしているという点がオマージュになっています。
まひろが惟規の恋バナを聞いた後に書いていたのは「末摘花」の帖です。
惟規の「斎院」という言葉からインスピレーションを得て、物語に登場させたのかもしれませんね♪
幼い時に結婚した姫(35話)
【光る君へ】
彰子は「私も幼い頃に入内したため、自分は紫の上のようだ」と言っていた。
【源氏物語】
光源氏の正妻格・紫の上は、10歳ごろに光源氏と出会い、光源氏に引き取られて結婚した。
幼い頃に入内した彰子は、『源氏物語』の紫の上のオマージュになっています!
光源氏の初恋相手そっくりな少女で最愛の妻・紫の上。
山で祖母と暮らしていた紫の上は、10歳ごろに光源氏と出会う
↓
光源氏「大好きな藤壺(義母であり、初恋相手)に似てる!」
↓
紫の上の祖母の死後、光源氏が引き取り、その後、正妻格になる
(光源氏は第二皇子。紫の上→10歳ごろに引き取られる、彰子→11歳で入内)
幼い頃に皇族と結婚(光源氏→藤壺、一条天皇→定子)
男性が愛していたのは別の女性という点がオマージュになっています。
一条天皇にとっては、
- 一条天皇→桐壺帝
- 定子→桐壺の更衣
- 敦康親王→光源氏
- 彰子→藤壺
です。
しかし彰子にとっては、
- 一条天皇→光源氏
- 定子→藤壺
- 彰子→紫の上
と思っているということですね。
立ち場によって相手を『源氏物語』の誰だと認識しているのかに違いがあって面白いです。
宇治の川(42話)
【光る君へ】
まひろは、病で生きる気力も失った道長と共に宇治の川辺を歩き、「このまま2人、流されてみません?」と言う。
【源氏物語】
光源氏と女三の宮の息子(という体だけど、ホントの父親は柏木)である薫の愛人・浮舟。
薫の友だち・匂宮と浮舟は、浮気関係になってしまう。
浮舟は薫も匂宮もどちらも嫌で選べず、宇治の川で入水自殺を試みた。
42話の「宇治の川で流されてみません?」のセリフは、『源氏物語』の「浮舟」の帖のオマージュになっています!
- 薫(光源氏と女三の宮の子、ホントの父親は柏木)
- 匂宮(光源氏の孫)
が恋した美人姉妹の三女・浮舟。
浮舟は薫の愛人だったが・・・
↓
薫の友だち・匂宮が浮舟に手を出し、浮気するために浮舟を宇治川対岸の隠れ家に連れ出す
↓
匂宮との関係が薫に気づかれてしまい、浮舟は宇治川で入水自殺を図る
宇治が舞台
宇治の川辺で「死んでもいい」と思う
「流されてみません?」と言うセリフ(浮舟は流されやすい)
という点がオマージュになっています。
まひろは賢子に「このまま出家しようかしら」と言っていましたが、実際に浮舟は入水自殺後に助かって出家しました。
『光る君へ』でも、まひろがラストの方で出家する展開があるかもしれませんね。
\カジュアルに楽しく『源氏物語』を読みたい方にオススメ♪/
まとめ
紫式部が源氏物語を書いた石山寺の近くに母校があったり地元が激推ししてることもあり、今年は久々に大河を観ています。源氏物語のオマージュが出てくるの楽しすぎる。雀を逃がしちゃうとかニヤニヤしちゃうよね🤭
「光る君へ」の時代考証されてる先生のとか関連本借りてきたので読む!ワクワク✨ pic.twitter.com/1mOgiaVwck— api@ストレスフリー主婦 (@apiapiapi7) January 18, 2024
本記事では、光る君へ源氏物語オマージュまとめ!逃げた鳥は紫の上が元ネタ?と題して詳しくご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
オマージュ元については随時追記いたしますので、楽しみにお待ちください♪
『源氏物語』についても知っておくと、『光る君へ』をさらに楽しめますよ♡
それでは、光る君へ源氏物語オマージュまとめ!逃げた鳥は紫の上が元ネタ?を最後までお読みいただき、ありがとうございました。